ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は14日、イーサリアムブロックチェーンのPoS移行「Merge(マージ)」を翌日に控え、ほぼ横ばいで推移した。
ビットコインは1%下落し、2万ドルを割った。年初から約58%、史上最高値6万8720ドル強から約70%下落している。
イーサリアムはMergeが近づくなか、1.4%上昇。年初から約57%、史上最高値4847ドル強から67%下落している。
経済カレンダー:8月の米生産者物価指数(PPI)は、前年同期比が予想の8.9%に対して8.7%、前月比が予想のプラスに0.1%に対してマイナス0.1%となった。
PPIは卸売価格を表し、小売価格の方向性を示す。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは、どちらも予想を上回った。
海外では、イギリスの8月のインフレ率は前年同期比9.9%上昇、予想の10.6%を下回ったが、依然として記録的な水準となっている。
株式市場:株式市場も横ばいで推移。ダウ平均は0.1%、S&P500は0.3%、ナスダックは0.7%上昇した。
コモディティ:原油は1.7%上昇、天然ガスは10%上昇した。ゴールドは0.7%下落。
ドルインデックス(DXY):0.1%上昇し、ビットコインとの相関係数はマイナス0.85。
CoinDesk Market Index(CMI):暗号資産市場全体のパフォーマンスを測定する広範な市場指数CMIは0.68%上昇した。
最新価格
●ビットコイン:19,958ドル、-1.5%
●イーサリアム:1,597ドル、-0.7%
●コインデスク・マーケット・インデックス(CMI):1,007ドル、 -0.9%
●S&P500:3,946.01、+0.3%
●ゴールド:1,705ドル、+0.0%
●米国10年債利回り:3.41%、-0.01
テクニカル分析
イーサリアムは歴史的な日を迎える。数年にわたる期待、複数のテストネット、多くの報道を経て、イーサリアムブロックチェーンのMergeがついに実行される。今のところ、Mergeは問題なく行われると予想されている。
テクニカルチャートでは、イーサリアムは14日、比較的横ばいで推移した。価格は13日の終値から0.77%上昇し、3日連続の下落に終止符を打った。取引高は、20日平均とほぼ同じ。
イーサリアムのATR(Average True Range)は年初から一貫して下落傾向にある。ATRは一定期間の値動きを表し、ボラティリティを計る指標。
イーサリアムは値動きの激しさを感じることがあるものの、ボラティリティはMergeを控えて縮小している。とはいえボラティリティは直線的に低下しているわけではない。2月、5月、6月にはATRがスパイクしている。
さまざまな価格レベルでの取引活動を見るVPVRは、イーサリアムが取引活動の低い2つのレンジの間で推移していることを示している。この場合、価格はしばしば「低ボリュームノード」を超えて急速に動くことがあり、ボラティリティのスパイクをもたらす。
上方の次の「high volume node」は3000ドル付近、下方は1140ドル付近。トレーダーは15日のMergeの結果を待っており、成功(あるいは失敗)が少なくとも短期的には、イーサリアム価格を一方向に急激に動かすことになるだろう。
アルトコイン
●イーサリアム最大のマイニングプール、イーサリアム向けサービス停止:EthermineはMergeが完了した時点で、イーサリアム向けサービスを停止する。ユーザーは他の提携サーバーを使用して、既存のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)トークンであるイーサリアムクラシック(ETC)をマイニングできる。
●NFT、中国で独自の繁栄:一般的なNFTとは異なり、中国の「デジタル・コレクティブル」は閉じたネットワーク上に構築され、取引や投機を嫌う規制当局の怒りに触れないよう設計されている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Market Wrap: Ether Trades Relatively Flat Ahead of Ethereum Merge