米仮想通貨決済スタートアップ、フォールド(Fold)は、今年2月、ライトニング・ネットワークを利用してドミノ・ピザを購入するためのポータルをローンチした。そして今、同社のモバイルアプリ「フォールド」を利用して買い物をしたユーザーに、ビットコイン(BTC)でキャッシュバックを提供している。同アプリは、アマゾン(Amazon)、ウーバー(Uber)、スターバックス(Starbucks)、バーガーキング(Burger King)、REI、ターゲット(Target)などで利用可能。
ウェブブラウザ拡張機能「ローリー(Lolli)」も、すでにデスクトップユーザー向けにこの機能を提供しており、現在独自のモバイルアプリを開発中だ。今回フォールドが参入したことで、ビットコイン利用者は、両社の競争から恩恵を受けるかもしれない。ローリーはブラウザ内ウォレットを提供しており、ユーザーはそこからキャッシュバック報酬で得られたビットコインを外部ウォレットに送ることができる。一方、フォールドのアプリはユーザーが指定した外部ウォレットに報酬を自動的に送る。
「これはポイントを貯めるようなもので、サトシ(1BTCの1億分の1)で表示される」とフォールドの製品責任者であるウィル・リーブス(Will Reeves)氏はCoinDeskに語った。「フォールドを用いた購入で使う、もしくは実際のビットコインウォレットに送ることができる」
フォールドとローリーのもう1つの違いとして、フォールドにライトニング互換性があることが挙げられる。これが可能なのは、ローリーがブランドと直接やり取りをしている一方で、フォールドがプリペイドカードネットワークと提携し、ユーザーのビットコインでギフトカードを購入し、ユーザーに代わって商品購入を処理しているからだ。
リーブス氏によると、ライトニング・ピザ機能はこれまでに約1万ドル(108万)相当のトランザクションを生み出しており、今でも、毎日数十枚のピザが購入され続けている。
ローリーとフォールドのどちらの幹部も、月間アクティブユーザーは数千人に上ると述べている。ローリーのCEO、アレックス・アデルマン(Alex Adelman)氏は、モバイルアプリのローンチに加えて、ローリーの支払い機能にライトニングを実装する計画があるとCoinDeskに語った。
「ライトニングはビットコインの一般普及を助ける強力なツールになるだろう」とアデルマン氏はCoinDeskに語った。「最終的には、我々が提携している全てのブランドとライトニング機能を共有できることを楽しみにしている」
一方、リーブス氏の見解では、ローリーのような競合が既存のアフィリエイトモデルを採用している一方で、フォールドは新しい決済システムを構築しようとしている。
「近いうちに、フォールドのユーザーは、任意の通貨をこれらの小売店で直接使えるようになり、そうすることで、無料でビットコインを得られるようになる」とリーブス氏。「ショッピングや報酬がもたらす楽しさの裏で、私たちは消費に全く新しいパラダイムを導入するつもりだ」
翻訳:新井朝子
編集:町田優太
写真:Image via Fold app
原文:Fold App Adds Bitcoin ‘Kickbacks’ for Purchases at Target, Starbucks