ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は19日、異なる動きを見せ、ビットコインは下落、イーサリアムは上昇した。
ビットコインは大きく変動し、協定世界時(UTC)2時(米東部時間18日22時)台に1万9000ドルを割ったが、アメリカの取引時間に反転した。下落の原因となるような経済データの報道はほとんど見られなかった。
イーサリアムは1.72%上昇し、先週のMerge(マージ)成功後に始まった下落に終止符を打った。イーサリアムの1時間足チャートを見るとUTC2時台に下落し、その後反転しており、ビットコインと同様の動きを示した。イーサリアムはMerge以降、約17%下落している。
暗号資産全体のパフォーマンスを測定する広範な市場指標、CoinDesk Market Index(CMI)は0.35%下落した。
経済カレンダー:21日にFOMC(連邦公開市場委員会)が開催され、利上げ幅が決定される。市場は0.75%利上げの可能性を80%、1%上昇の可能性を20%と予想している。
金利が1%上昇すれば40年以上ぶりとなる。1978年から1981年にかけて、当時のポール・ボルカー議長の任期中、インフレ高騰を理由に7回の1%利上げが行われた。
株式市場:株式市場は上昇した。ダウ工業は0.6%、ナスダックは0.8%、S&P500は0.7%上昇した。
コモディティ:原油は0.42%上昇、天然ガスは1.6%上昇した。ゴールドは0.01%の上昇にとどまった。
ドルインデックス(DXY):0.03%下落。
最新価格
●ビットコイン:19,465ドル、-1.3%
●イーサリアム:1,361ドル、-1.3%
●CMI:960ドル、-1.3%
●S&P500:3,899.89、+0.7%
●ゴールド:1,684ドル、+0.7%
●米国10年債利回り:3.49%、+0.04
テクニカル分析
ビットコインとイーサリアムは課題に直面している。2つの資産はマクロ経済データと全体的なリスク指向に関連しているように思えるため、トレーダーは価格の方向性を見出すことに苦戦している。イーサリアムの直近の上昇要因となったMergeはすでに終了した。
Mergeは成功したと広く考えられているが、トレーダーはイーサリアムに対して「ニュースで売る」アプローチを取った可能性があり、価格はMerge以降、17%下落している。
ドルインデックス(DXY)はビットコインと強い逆相関関係になっており、ビットコインとイーサリアムの最近の値動きの要因の1つは米ドルの強さにある。ビットコインは年初から約58%下落しているが、DXYは15%上昇している。
市場参加者は、暗号資産価格の方向性を示すシグナルとして、米ドルに影響を与えるデータに注目しているだろう。結局のところ、ドル高になれば暗号資産は下落する。マネーサプライの減少や金利引き上げは、まさにドル高を実現する動きだ。
テクニカルな観点から見ると、大口機関投資家は最近、ビットコイン保有高を減らしている。米CFTC(商品先物取引委員会)が毎週火曜日に発表するレポート、Commitment of Traders(COT)は先物市場でトレーダーが保有するポジションを示すもの。
緑色で示された大口投資家のロングポジションは9月13日に急落し、その日に起きた10%の下落と一致している。常にではないが、大口投資家は投機家は市場の底値付近でロングポジションを増やし、天井付近でショートポジションを持つ傾向がある。
ビットコインの値動きとCOTを比較すると、ビットコインは他のコモディティほど単純ではないことがわかる。とはいえ、大口投資家がロングポジションの増やさなければ、価格は短期的に狭いレンジで取引される可能性が高い。
アルトコイン
●SECとリップル、XRPの販売をめぐる訴訟で即時判決を求める:SEC(米証券取引委員会)とリップルラボ(Ripple Labs)はともに、エックス・アール・ピー(XRP)の販売が証券法に違反したか否かについて略式裁判の申し立てを行った。
●イーサリアムネームサービスのeth.link、復活:eth.linkの運営企業と管理者のバージル・グリフィス氏は、eth.linkが期限切れであると偽って発表し、第三者に売却したとしてドメイン登録企業GoDaddyを9月はじめに提訴。売却の差し止めが認められ、eth.linkは復活した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Regains $19K and Ether Rises as FOMC Meeting Nears