イーサリアム(ETH)マイナーはMerge(マージ)後、他のアルトコインのマイニングにシフトしているが、収益を上げることがますます難しくなっている──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。
米洗車チェーン、NFTで顧客増──中小企業にも広がるNFT
ブランディングに長けた大企業がNFTプロジェクトを成功させようと競うなか、中小企業も素晴らしい成果をあげている。その1つが「Soapy Joe’s」という洗車チェーン。7月初旬にNFTキャンペーンを開始した。
このスカベンジャーハント(がらくた集め)形式のキャンペーンでは、洗車チェーンの会員は17カ所ある洗車場を使うと、異なるNFTを集めることができる。NFTをたくさん集めるとさまざまなプレゼント──キーホルダーや帽子、遊園地チケット、洗車場の年間利用チケットなどがもらえる。
イーサリアムPoW、1日目は苦情が殺到──価格も大幅下落
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)で稼働するEthereum PoWの1日目は、悲惨な1日となった。
一部のユーザーは、Ethereum PoWの公式ツイッターが提供する情報に従ったがネットワークにアクセスできなかったと不満をツイート。別のユーザーはネットワークのウェブサーバーへのアクセスに問題があると報告した。
GPUマイナー、Merge後24時間で消え去った
米東部時間9月15日未明、イーサリアムブロックチェーンはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行した。「Merge(マージ)」と呼ばれたこのアップグレードによってマイナーは不要になり、マイナーはマイニングマシンを他のPoWブロックチェーンのマイニングにスイッチさせた。
「グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)マイニングはMergeから24時間足らずで消え去った」とビットコインマイナー、ビットファームズ(Bitfarms)のベン・ギャグノン(Ben Gagnon)氏はツイートした。GPUを使ってマイニングできる3つの主要チェーンは利益がきわめて小さく、「唯一利益を示している暗号資産は時価総額も流動性もほとんどない」。
環境保護団体、オンライン広告に100万ドル──ビットコインのPoSへの変更求める
複数の環境保護団体はオンライン広告に新たに100万ドル(約1億4000万円)を費やす。エネルギー消費を減らすためにコードを変更するようビットコイン(BTC)コミュニティに圧力をかけることが狙いだ。
PoWブロックチェーンのビットコイン(BTC)は、エネルギー消費量が小国並みであることから批判が高まっている。批判は先日ホワイトハウスが発表したビットコインマイニングに関する報告書にも反映されている。
著名イーサリアムマイナー、マイナーの90%は破綻と予測
イーサリアム(ETH)マイナーの日常はMerge(マージ)以降、苦しくなっている。プルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行によって、マイナーとマイナーが保有するコンピュータはトランザクションの検証に必要なくなった。
こうしたマイナーのなかにはマイニングを継続するためにイーサリアムブロックチェーンのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)フォークにスイッチしたマイナーもいる。
しかし、PoWフォークの強力な支持者の1人、チャンドラー・グオ(Chandler Guo)氏でさえ、ETHPOW(イーサリアムのPoWフォーク)あるいはイーサリアムクラシック(ETC)のマイニングを行うマイナーのわずか10%しか最終的には生き残れないと考えている。
ゴールドマン・サックス、米国債実質利回りの上昇を予想──ビットコインにはマイナスか
米国物価連動国債(TIPS)の利回りは8月上旬以降、1%上昇して暗号資産をはじめとするリスク資産に新たな動揺を与えている。さらに、いわゆる実質利回りが今後数カ月でさらに上昇する可能性が高いことが、ビットコイン(BTC)強気派を落胆させた。
ゴールドマン・サックスは9月16日、消費者物価指数の上昇に応じて定期的に調整される物価連動国債(10年)は年末までに1.25%に上昇し、最終的には1.25%~1.5%の間まで上昇する可能性があると述べた。
イーサリアムファンド、4週連続の流出超
コインシェアーズ(CoinShares)が9月19日に発表したレポートによると、イーサリアムファンドは9月16日までの1週間、1540万ドルの流出超となった。流出超は4週連続。一方、ビットコイン(BTC)ファンドは1740万ドルの資金流入となり、5週連続の流出超とはならなかった。
中国、デジタル人民元のトライアルを広東省などに拡大:報道
中国人民銀行(PBoC)はデジタル人民元(e-CNY)のトライアルを最も人口の多い広東省をはじめ、江蘇省、河北省、四川省に拡大する。サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)が9月20日に伝えた。
範一飛(Fan Yifei)副総裁が9月19日、金融フォーラムで語った。具体的な日時は明かされておらず、範副総裁は「適切な時期に」行われると述べたという。
Merge後の強気予想をかく乱──イーサリアムとナスダックの相関関係上昇
マーケットメイキング大手のカンバーランド(Cumberland)によると、イーサリアムとナスダックの30日相関関係は4カ月ぶりの高水準0.765まで上昇した。0.7以上は、2つのの間にプラスの相関関係があることを意味する。
「イーサリアム/ナスダック(ETH/Nasdaq)の30日相関関係は、ほぼ今年の最高水準に戻っている。(今のところ)マージ特有のダイナミクスを覆い隠している」とカンバーランドは20日、ツイートした。
ナスダック、暗号資産カストディ開始へ──機関投資家需要を狙う
米証券取引所ナスダック(Nasdaq)が暗号資産(仮想通貨)カストディサービスを開始する。機関投資家からの需要を取り込むことが目的だ。同社が9月20日、プレスリリースで明らかにした。
暗号資産取引所ジェミニ(Gemini)でプライムブローカレッジサービスを担当していたアイラ・アウアーバック(Ira Auerbach)が新しいデジタル資産部門の責任者に就くという。
ビットメイン、マイニング機器をさらにディスカウント
2大ビットコインマイニング機器メーカーの1社、ビットメイン(Bitmain)は、暗号資産の弱気相場と世界的なエネルギー危機のなかで今年すでに70%ダウンしている販売価格をさらにカットしている。
ビットメインは9月20日、アントマイナー(Antminer)S19 Pro 100テラハッシュ(TH)モデルの価格を19ドル/THに引き下げるとツイートした。Luxor Technologiesのデータによると、市場価格より約30%低い価格となる。
オープンシー、レイヤー2のアービトラムをサポート
NFTマーケットプレイス最大手のオープンシー(OpenSea)は9月20日、レイヤー2ソリューションのアービトラム(Arbitrum)をサポートする予定と述べた。
すでにアービトラム上で発行されている複数のコレクションをサポートするという。オープンシーは現在、イーサリアム(Ethereum)、ポリゴン(Polygon)、クレイトン(Klaytn)、ソラナ(Solana)に対応している。
暗号資産ATM、都内で稼働開始──3年で国内130台を目指すガイアの狙い
暗号資産(仮想通貨)の自動両替機が都内で稼働を始めた。設置したのは昨年6月に暗号資産交換業者に登録されたガイアで、今年8月に1号機を大阪で稼働させたばかり。同社は今後1年で国内の設置台数を50台、3年で130台に増やす方針だ。勝算はあるか?
イーサリアムの資金調達率、Mergeを経て通常レベルに
イーサリアム(ETH)先物の資金調達率はMerge(マージ)から約1週間で通常レベルに戻った。マージに向けて、多くのトレーダーはポジションを維持するために非常に高い手数料を支払っていた。
そのためイーサリアム先物ではきわめて大規模な清算が進み、週あたりの取引高で、イーサリアムの現物(スポット)取引高が初めてビットコインを上回った。
FUELHASH、カナダでビットコインマイニング開始──水力発電を利用
太陽光発電などの再⽣可能エネルギーを活⽤して、ビットコイン(BTC)のマイニング事業を手掛けるFUELHASH(本社:東京千代田区)が、カナダの水力発電を使ったマイニングファームの運用を開始した。
同社は9月21日、カナダ・オンタリオ州の水力発電を利用したマイニングファームを稼働させたことを明らかにした。ビットフューリー社(Bitfury)製のマイニング機材を搭載した。
米クラーケン共同創業者、CEO退任へ
暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)の共同創業者兼COE、ジェシー・パウエル(Jesse Powell)氏がCEOを退任する。後任CEOには、最高執行責任者(COO)のデイブ・リプリー(Dave Ripley)氏が就任する予定。
アスター(ASTR)、ビットバンクに上場へ──9月26日取扱スタート
暗号資産(仮想通貨)取引所のビットバンクが、アスター(ASTR)の取扱いを9月26日に開始すると、同社のブログで発表した。
アスター(Astar Network)は、異なるブロックチェーン同士をつなぐポルカドットのパラチェーンで、渡辺創太氏がシンガポールで企業したStake Technologiesが開発を行っている。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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