ビットコイン(BTC)は10月6日、わずかに上昇した。暗号資産全体のパフォーマンスを測定する広範な市場指標、CoinDesk Market Index(CMI)は、0.32%上昇。
大きく上昇したのは、15%上昇したスシスワップ(SUSHI)と12.15%上昇したVulcan Forged PYR(PYR)。下落したのは、12.3%下落のヌメライ(NMR)と7.8%下落したセルシウス(CEL)。
ビットコインは狭いレンジでの値動きとなり、ほぼ横ばいの2万ドル超で推移した。暗号資産全体の時価総額に対するビットコインの時価総額の割当であるビットコインドミナンスは、9月10日に39%まで下落した後、41%まで上昇。ドミナンスの上昇は、暗号資産投資がビットコインにシフトしていることを示している。
イーサリアム(ETH)は1%上昇。価格は現在、10日移動平均と20日移動平均の間にあり、50日移動平均から6%以内で推移している。
経済カレンダー:米労働省が6日発表した9月最終週(10月1日まで)の新規失業保険申請件数は約21万9000件。エコノミスト予想の20万3000件を約8%上回った。
7日は重要な指標となる非農業部門雇用者数と失業率が発表される。失業率は、エコノミスト予想では3.7%とほぼ横ばい。
雇用の減少は通常、経済が減速し、インフレが低下する可能性が高いことを示す。予想を上回れば、経済成長を減速させる必要があると見なされ、ビットコイン価格には下落圧力となり得る。
株式市場:株式市場は下落した。ダウ平均は1.2%、ナスダックは0.7%、S&P500は1.02%下落。株式市場とビットコインの相関関係は0.90から0.27となり、70%近い低下となった。マイナス0.30〜0.30は中立とされ、関係がないとはいえないが弱いことを示している。
最新価格
●ビットコイン:20,053ドル、-0.3%
●イーサリアム:1,361ドル、0.8%
●CoinDesk Market Index(CMI):980.32、-0.2%
●S&P500:3,744.52、-1.0%
●ゴールド:1,722ドル:0.6%
●米国10年債利回り:3.83%、0.07
テクニカル分析
ビットコインは依然として横ばい推移だが、希望が見えてきたようだ。
ほとんどのテクニカル指標は、狭いレンジでの取引が続くことを示している。だが過去1カ月を見ると、株式市場を上回っている。ダウ平均、ナスダック、S&P500は9月1日以降、約5%下落したが、ビットコインは0.32%下落にとどまった。
取引高は、直近7日の取引日のうち1日以外は平均を下回った。取引高はしばしば、値動きの背景にある確信度を示す。現在、ビットコインは価格も取引高も大きく動いておらず、現時点では大きな利益を得るチャンスはほとんどない。
強気の可能性は、デリバティブ市場にも表れている。ビットコインオプションのコール・プット・レシオは1.85となっている。1.0以上のレシオは、強気センチメントが高まっていることを示す。
権利行使価格を見ると、2万ドルを境にコールが増え、プットは見られなくなっている。
アルトコイン
●セルシウスの経営トップ3人、破綻前に1700万ドル引き出し:元CEOのアレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏、元CSOのダニエル・レオン(Daniel Leon)氏、CTOのニューク・ゴールドスタイン(Nuke Goldstein)氏は、同社が顧客の資金引き出しを停止する前の5月、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、USDコイン(USDC)、セルシウスなどをカストディ口座から引き出していた。
●ステーブルコイン発行元のMakerDAO、米国債と社債に5億ドル投資:テラ(Terra)エコシステムとステーブルコインUSTの崩壊以降、ステーブルコインの準備金は議論の的となっている。ステーブルコインのDAI(ダイ)を手がけるMakerDAOの取り組みは、バランスシートを多様化し、ステーブルコインの裏付け資産をより安定させるためのものだ。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Trades Flat for a Second Consecutive Day, but Outpaces Traditional Markets