ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は11日、横ばいで推移した。暗号資産(仮想通貨)市場はこの数週間、取引高とボラティリティの低下が続いている。
ビットコインの取引高は、過去11日で10日、7日連続で20日移動平均を下回った。価格は24時間で0.45%下落。ビットコインのATR(average true range)は10月、22%低下し、ボラティリティが低下していることを示している。
イーサリアムの取引高は、11日連続で20日移動平均を下回った。価格は0.66%下落し、心理的に重要な1300ドルを割った。
暗号資産全体のパフォーマンスを測定する広範な市場指標、CoinDesk Market Index(CMI)は、0.90%下落。
株式市場:株式市場はまちまち。ダウ平均は0.12%上昇したが、ナスダックは1.10%、S&P500は0.65%下落した。
コモディティ:WTI原油は1.7%下落し、1バレルあたり90ドルを割った。欧州ブレント原油は1.6%下落し、1バレルあたり94.61ドルとなった。金属市場では、銅先物は0.03%下落したが、ゴールドは0.14%上昇した。
最新価格
●ビットコイン:19,042ドル、-1.0%
●イーサリアム:1,285ドル、-1.7%
●Coindesk Market Index(CMI):936.32、-1.7%
●S&P500:3,588.84、-0.7%
●ゴールド:1,673ドル、+0.4%
●米国10年債利回り:3.94%、+0.05
テクニカル分析
マクロ経済環境は依然として投資家に重くのしかかり、ビットコインは11日、再び横ばい推移となった。取引高も低迷した。
ビットコインは、価格が20日移動平均の上下に触れてから平均値に戻るという「平均回帰性」トレードのような値動きを続けている。
日足チャートよりも1時間足チャートに顕著に現れているが、ビットコインはボリンジャーバンドの上限を突破して反転する時間帯に取引高が平均以上になる傾向がある。
平均回帰性トレードを実行できる限り、トレーダーは現在の市場でチャンスを見つけられる可能性がある。コストを最小限に抑えながら長期ポジションを築こうと考えている投資家は、ポジティブなデータを見つけることができるかもしれない。だが懸念材料もある。
Glassnodeによると9月16日以降、クジラ(大口保有者:1000BTC以上の保有者)から暗号資産取引所への流入額/流出額は減少している。
取引所からのビットコインの流出は、ビットコインがコールドストレージに移されている可能性が高く、強気トレンドといえる。逆に取引所への流入は、売却される可能性が高いことを意味する。
Glassnodeのデータはまた、2017年以降のクジラのコストベース(ビットコイン購入価格)が約1万5800ドルであることを示している。ビットコインは9月16日以降、5%下落したが、クジラはビットコインを取引所から移動させている。必ずしも強気要因とはいえないが、クジラのセンチメントを知る手がかりとなる。
一方、デリバティブ市場からは懸念が浮かんでいる。具体的には、権利行使価格1万9000ドルのプット建玉が増加している。さらに、ビットコインのプット・コール・レシオが上昇しており、トレーダーが下落に備えつつあることを示している。
アルトコイン
●SEC、Yuga Labsを調査:ブルームバーグによると、SEC(米証券取引委員会)は複数の人気NFTコレクションを手がけるYuga Labs(ユガ・ラボ)を調査しているという。焦点となる重要な法的問題は、NFTが証券にあたるか否かだ。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Remains in a Quiet Place Ahead of FOMC Minutes