中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)、いわゆる「デジタル人民元」は、2019年12月のスタートから2022年8月までに取引高1000億人民元(約139億ドル、約2兆500億円)に達したと香港の英字紙South China Morning Post(SCMP)は10月13日、中国人民銀行(PBoC)のデータを引用して伝えた。
ただし、取引高は伸びは減少している。2021年末の876億人民元から14%増、2021年6~12月は154%増だった。ウォレットの開設数は、2021年末時点で2億6100万件だったが、PBoCは最新データを発表しなかったという。
1000億人民元という数字は、テンセント(Tencent)のウィーチャット・ペイ(WeChat Pay)やアント・グループ(Ant Group)のアリペイ(Alipay)など、中国有数の決済事業者のデータと比べるとはるかに小さい。例えばアリペイは、SCMPの記事によると、2021年6月までの1年間で118兆人民元(約16兆4000億ドル、約2420兆円)の決済を処理したという。
中国のデジタル人民元は、中国国内で試験的に展開されており、現在は北京、上海、深センなど23都市が対象になっている。
世界の主要国の中央銀行と政府は、暗号資産(仮想通貨)の利用が増加していることに対応し、先行するデジタル人民元の動きを意識しつつ、CBDC開発を進める意向を示している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:China’s CBDC Transactions Reach $14B as Uptake Slows: Report