ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は18日、暗号資産(仮想通貨)市場の取引高とボラティリティが低下したため、前日の上昇分の一部を失った。暗号資産全体のパフォーマンスを測定する広範な市場指標、CoinDesk Market Index(CMI)は、1.64%下落した。
ビットコインはCMIと同程度の1.77%下落した。取引は再び低迷し、取引高は5日連続、過去10日のうち9日で20日移動平均を下回った。例外は10月13日、米CPI(消費者物価指数)の発表で取引が急増した。
イーサリアムは2.5%下落、心理的に重要な1300ドルを割った。取引高は過去10日のうち8日、20日移動平均を下回った。
マクロ経済状況
株式市場:株式市場は上昇した。ダウ平均は1.08%、ナスダックは0.78%、S&P500は1.05%上昇した。
コモディティ:エネルギー市場は下落。WTI原油は3.7%、欧州ブレント原油は1.5%下落した。ゴールドは0.47%下落、銅先物は1.7%下落した。年初来、銅は約25%下落している。
最新価格
●Coindesk Market Index(CMI):937.11、-1.6%
●ビットコイン:19,206ドル、-1.6%
●イーサリアム:1,299ドル、-2.0%
●S&P500:3,721.72、+1.2%
●ゴールド:1,657ドル、-0.0%
●米国10年債利回り:4.00%
テクニカル分析
暗号資産市場は、横ばい推移、低い取引高とボラティリティが続いている。
6月中旬にビットコインを購入した投資家は過去4カ月、ほとんど利益を得られなかったことになる。8月に一時2万4000ドルまで上昇したが、その後は約20%下落した。
イーサリアムも横ばいが続いているが、6月18日にイーサリアムを購入した投資家は約30%の利益を手にしている。
イーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)レシオは6月18日から9月8日までに61%上昇し、その後は20%低下している。
ビットコインのATR(Average True Range:値動きとボラティリティの指標)は、過去4カ月で67%、年初から72%低下。イーサリアムはATRは6月18日から60%、年初から72%低下している。
ビットコインとイーサリアムの双方について、価格水準別の取引高を示す「VPVR(Volume Profile Visual Range)」をみると、双方とも取引は集中しており、センチメントを変えるような大きな要因がない限り、横ばい推移が続きそうだ。
価格は横ばいだが、双方の先物推定レバレッジ比率(ELR)は上昇傾向にある。過去1カ月でビットコインのELRは0.30から0.38に、イーサリアムのELRは0.21から0.24に上昇した。
レバレッジ比率が上昇した場合、価格が投資家の予想と逆方向に動くと、清算のリスクは高くなる。
オプションの建玉を権利行使価格を見ると、1万9500ドルと1万9750ドルの権利行使価格でビットコインを購入するオプションが増加しており、強気センチメントを読み取ることができる。また、ビットコインの資金調達率は過去10日のうち8日、プラスになっており、こちらも強気センチメントを示している。
ただし、強気レバレッジの増加は、価格が下落に転じた場合、連鎖的な下落を引き起こす可能性があり、ビットコインをロングする投資家は今後数日間、注意が必要だ。
アルトコイン
●Apricot Finance(APT)が上昇、Aptosのティッカーと同じことが原因:Apricot Finance(アプリコットファイナンス)の暗号資産が過去24時間で約70%上昇した。旧リブラの流れを組んだAptos(アプトス)とティッカーが「APT」で同じだったことが原因。アプリコットファイナンスの取引高は、17日の7万ドル以下から220万ドル超に急増した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Crypto Prices Decline Slightly as Trading Volumes Continue to Sag