【US市場】ビットコインとイーサリアムは横ばい、DeFiトークンの上昇に注目

ビットコイン（BTC）とイーサリアム（ETH）は19日、横ばいで推移した。DeFi（分散型金融）トークンは、投資家が広範な経済指標を注視するなか上昇した。

暗号資産データ企業Kaiko（カイコ）のリサーチアナリスト、リヤド・キャリー（Riyad Carey）氏は、DeFiトークンの上昇は数週間横ばいで推移している市場の中で珍しい例外と述べた。

暗号資産全体のパフォーマンスを測定する広範な市場指標、CoinDesk Market Index（CMI）は、0.80％下落した。

ビットコインは当記事執筆時点、1万9200ドル付近となっており、24時間前とほぼ同じ水準。1カ月以上続いている1万9000ドル～2万1000ドルのレンジの下限に向かっていた。依然として20日移動平均を下回っており、弱気相場が根強いことを示している（日本時間20日10時頃には一時1万9000ドルを割った）。

イーサリアムは1300ドルを割り、過去1カ月のレンジの底値に近くなっている。ビットコインと同様、依然として20日移動平均を下回っている。

アルトコインの上昇率トップはAAVE（アーベ）とMATIC（ポリゴン）で、ともに3％以上上昇。UNI（ユニスワップ）は一時3.5％上昇し、過去7日で9.5％上昇した。Uniswapは10月13日、シリーズBの資金調達ラウンドで1億6500万ドルを調達したと発表した。

マクロ経済状況

株式市場は下落した。ナスダックは1.1%、ダウ平均（DJIA）とS&P500はわずかに下落した。

マクロ経済データでは、9月の米住宅着工件数は前月比8.1％減の143万9000件、事前予想をわずかに下回った。かつて盛況を誇った住宅市場の低迷を反映している。一方、今後の住宅建設の指標となる着工許可件数は1.4％増加した。

世界のインフレ率は上昇を続け、イギリス（10.1％）とカナダ（6.9％）は予想を上回る上昇率となり、金利をそれぞれ0.50％、0.75％引き上げた。両国ともアメリカと同様に、積極的な利上げを続ける可能性が高くなっている。FRB（米連邦準備制度理事会）11月、4回連続となる0.75％の金利引き上げを行うと予想されている。

コモディティでは、エネルギー市場の指標となる欧州ブレント原油は直近ではやや下落したものの、年初から15％以上上昇し、1バレル90ドルを大きく超える水準で推移している。ゴールドは1.4％下落した。

テクニカル分析

テクニカル分析で見ると、現在の水準でビットコインをロングするかどうかは、投資家の時間軸によって決まる。

短期的な取引を考える投資家にとって、ビットコインはほとんどチャンスを提供していないようだ。BTCのATR（Average True Range：値動きとボラティリティの指標）は、年初から約74％低下し、短期トレーダーが利益を生み出すために必要なボラティリティを奪っている。

ビットコインの価格サポートは現在のレベル付近で確立しているため、長期保有者のチャンスはより大きいと思われる。ボラティリティが低ければ、長期投資家は有利な価格でビットコインを買い集めることができ、その有益さは証明されるはずだ。

米CFTC（商品先物取引委員会）が毎週火曜日に発表するレポート「Commitment of Traders（COT）」によると、資産運用会社のポジションは現在、ビットコイン先物のロングが80％、ショートが20％となっている。

ビットコインのRSI（相対力指数）は45.7、中立エリアにある。

アルトコイン

●注目のレイヤー1ブロックチェーントークンのAptos、取引開始日は下落：旧リブラの流れを汲み、大手暗号資産取引所のFTX、Coinbase、Binanceなどに上場した話題のレイヤー1トークン、Aptos（アプトス）。CoinGeckoによると、取引開始から1時間以内に30％下落となる、9ドル台となった。

●ビットコインと株式市場が横ばい推移の中、DeFiトークンの上昇に注目：ビットコイン、イーサリアムのようなトップ暗号資産と株式市場が横ばい推移となる一方で、DeFi（分散型金融）トークンが上昇し、注目を集めた。

●Terra開発者、LUNAエコシステム復活に向けた4カ年計画を発表：提案の目的は、開発者にインセンティブを与え、暗号資産テラ（LUNA）によるユーザーの活動を増加させることにある。

｜翻訳：coindesk JAPAN
｜編集：増田隆幸
｜画像：CoinDesk
｜原文：Market Wrap: Bitcoin Hovers at $19K to Remain Within Current Range

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