2021年7月~2022年6月までの1年間で記録した日本のオンチェーン取引額は、前年同期から113.2%増加。年間の成長ペースとしては東アジアでは最大となった──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。
NFTとレコード盤、人はどちらを選ぶ?──岩瀬氏のKLKTN、ゲスの極み乙女、ワーナーが社会実験
ライフネット生命共同創業者の岩瀬大輔氏が香港で設立したKLKTNは今年、ワーナーミュージック・ジャパンと同レーベルに所属するバンド「ゲスの極み乙女」と共同で、NFTプロジェクトを実施した。
10月19日、岩瀬氏と川谷氏、ワーナーミュージック・ジャパンの増井健仁チーフプロデューサーは下北沢でオフラインイベントを開いた。NFTプラットフォーム、アーティスト、音楽レーベルという3つの異なる立ち位置から、NFTと音楽が融合する近未来の世界を垣間見えるイベントとなった。
ゴールドマンのドル高予想はビットコインの悪材料か
ドル高のピークは「数四半期先だろう」とゴールドマン・サックスのストラテジスト、カマクシャ・トリベディ(Kamakshya Trivedi)氏は顧客向けメモで述べた。
「FRB(米連邦準備制度理事会)が緩和に乗り出すことは2024年まで期待できず、インフレの谷も数カ月先になりそうだ」(トリベディ氏)
同氏は、高インフレの時代でもあった1970年代を振り返ると、経済活動が低下し、FRBが金融政策を緩和するまで、ドル安は始まらなかったと指摘した。
NFTクリエーターへのロイヤリティ支払い、これまでに18億ドル超:Galaxy Digital
18億ドル(約2640億円)以上のロイヤリティがこれまでにイーサリアムベースのNFTコレクションのクリエーターに支払われたとGalaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)は10月21日に発表したレポートで述べた。
また支払いが最も多かったのはOpenSea(オープンシー)で、2021年にロイヤリティの平均パーセンテージは3%から6%に上昇したという。OpenSeaは、取引高最大のNFTマーケットプレイスであり(DappRadarのデータ)、これは注目に値する。
ポルカドット共同創設者のギャビン・ウッド氏、開発会社CEOを退任
ギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏がPolkadot(ポルカドット)ブロックチェーンのエコシステムを支える重要な企業、Parity Technologies(パリティ・テクノロジーズ)のCEOの退任する。
ウッド氏はイーサリアムの共同創設者で、2015年にイーサリアム財団を辞めた後、ポルカドットを共同創設した。パリティには大株主として残り、共同創設者のビョルン・ワグナー(Björn Wagner)氏が新CEOに就任する。
ドージチェーンのトークン、3倍に上昇──9月には90%下落
Dogechain(ドージチェーン)のトークン「DC」がこの数日で3倍以上に上昇している(CoinGeckoのデータ)。10月21日には0.0004ドル付近だったが、23日には0.0018ドルまで上昇した。
リップル、チーフエンジニアが退社
Ripple(リップル)のチーフエンジニア、ニック・ブーガリス(Nik Bougalis)氏は週末、新たな可能性に向けて同社を退社すると述べた。
「10年にわたるRippleでの旅は(疲れ果て、すべてを使い果たしたとしても)素晴らしいものだった。大好きなプロジェクトで、自分が信じるゴールに向かって働くことができた。だがその旅もあと数週間で終わりを迎える」とブーガリス氏は10月22日、ツイートした。
クリプトフレンドリーなスナク氏、イギリス新首相就任へ
財務相時代に暗号資産(仮想通貨)に関するイギリスの新しい取り組みを切り開いたスナク氏がイギリスの次期首相に就任する。
スナク氏は10月24日、イギリス与党・保守党の党首選で無投票当選し、トラス氏の後任に選ばれた。前ジョンソン政権下での財務相時代、スナク氏はイギリスを暗号資産のハブにすると発表した。
アップル、NFTにも30%の「アップル税」──ガイドラインを明確化
Apple(アップル)は、アプリ内購入にかかる30%の「Apple税」からNFTを除外することを拒否した。
同社は10月24日、NFTを扱うiOSアプリについてのルールを明確化し、アプリ内でのNFTの発行、売買を初めて正式に認めた(これまでも技術的には禁止していなかった)。
FIFAワールドカップを前にファントークンが上昇
カタールでのサッカー・ワールドカップまで1カ月を切った。世界経済にプラスになるといわれる世界的イベントは、いわゆる「サッカー・ファントークン」(サッカーチームが提供するトークンで、ファンにさまざまな特典を提供する)に興奮をもたらしたようだ。
データサイトCoinGeckoによると、過去7日間でペルー代表のファントークン(FPFT)、スペイン代表のファントークン(SNFT)、ブラジル代表のファントークン(BFT)はそれぞれ29%、17%、12%上昇した。
低調な四半期決算、暗号資産広告の減少が一因:グーグル親会社アルファベット
Google(グーグル)の親会社Alphabet(アルファベット)は10月25日夜、第3四半期の決算を発表。広告の売上高は9年間で最も低い成長率となり、同社経営陣はその一因として暗号資産広告の減少をあげた。
「特定分野で複数の広告主が支出を削減している」と最高ビジネス責任者(CBO)のフィリップ・シンドラー(Phillip Schindler)氏は決算報告の後、アナリストに語った。「保険、ローン、住宅ローン、暗号資産の分野で広告支出が減少した」。
ノルウェー政府、Decentralandに税務署を開設
ノルウェー政府は、メタバース税務署を開設する。10月26日に開催された電子政府に関するカンファレンス「Nokios」で、ノルウェー政府の公的データを担うBrønnøysund Register Centre(ブレンネイスン・レジスター・センター)と税務当局のSkatteetaten(ノルウェ-税務署)は、世界4大会計事務所の1つ、アーンスト・アンド・ヤング(EY)と提携し、メタバースのDecentraland(ディセントランド)にオフィスを開設すると発表した。
フィッシング詐欺師、24時間で100万ドル相当を騙し取る
「Monkey Drainer(モンキー・ドレイナー)」と呼ばれるフィッシング詐欺師が過去24時間で約700イーサリアム(約100万ドル、約1億5000万円)相当の暗号資産とNFTを騙し取った。オンチェーンハッキングや詐欺の調査を行うツイッターアカウント、ZachXBTが投稿した。
BNB Chain、1000万ドルのグロース支援プログラム
BNB Chainは、プロジェクトのユーザー獲得とグロースを支援する1000万ドルのファンドを導入した。同社担当者がCoinDeskに語った。
Growth Incentive Program(グロース・インセンティブ・プログラム)と呼ばれるプログラムは、まず第4四半期(10-12月期)に10プロジェクトを支援、各プロジェクトに月に最大800BNB(バイナンスコイン)の手数料支援を行う。さらに月100万ドルを投下してプロジェクトを支援する。
SBI、日本円でオンチェーンNFTを売買できるウォレットを開発──23年1月に開始
SBIホールディングス傘下で暗号資産(仮想通貨)取引サービスを手がけるSBI VCトレードが、日本円でオンチェーンNFT(非代替性トークン)を売買できるウォレットを開発した。2023年1月に提供を開始する。
SBI VCとGincoは共同で「SBI Web3 ウォレット」を開発。直接的に暗号資産を持たなくても、企業や個人はパブリックブロックチェーン上のNFTを売買することが可能となる。SBI VCトレードが10月26日に発表した。
ドージコイン、上昇──マスク氏のツイッター買収完了近づく
人気のミームコイン、ドージコイン(DOGE)がイーロン・マスク氏によるツイッター買収が近づくなか、過去24時間で約16%上昇した。
FTX、ステーブルコインを検討:報道
FTXはステーブルコインに取り組んでいると、サム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)CEOがWebメディア「The Big Whale」のインタビューで語った。
Google、イーサリアムノード運用サービスをクラウドで提供へ
Google(グーグル)は10月27日、イーサリアムプロジェクト向けのクラウドベースのノードサービスの提供を開始すると発表した。
「Google Cloud Blockchain Node Engine」は「ノード運用の手間を最小化できるフルマネージ型ノードホスティングサービス」となるという。つまり、Googleがノードの状況を監視し、必要に応じて再起動などを行う。
カザフスタン、バイナンスのBNB ChainでCBDCをテスト
カザフスタン国立銀行(NBK)は、バイナンスのブロックチェーン「BNB Chain」で中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタルテンゲ」のテストを行う。チャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)CEOが10月27日に明らかにした。
バイナンス、マスク氏のツイッター買収に5億ドル出資
Binance(バイナンス)は10月28日、当初の予定どおり、イーロン・マスク氏のツイッター買収に出資したことを明らかにした。
「イーロンのツイッターに対する新しいビジョンの実現に協力できることにエキサイトしている」「我々は、暗号資産とブロックチェーン技術の使用と普及を拡大するために、ソーシャルメディアとWeb3を結びつける役割を果たす」とバイナンスの創業者、チャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は声明で述べた。
LINEの暗号資産「LINK」、Huobi Globalへの上場を11月8日に延期
LINE傘下でブロックチェーンの関連技術を開発するLINE Xenesisは、独自の暗号資産(仮想通貨)「LINE」を10月28日に暗号資産取引所世界大手のHuobi Global(フォビ・グローバル)に上場する計画を進めていたが、上場日を11月8日に延期すると発表した。
LINE Xenesisは、上場の延期理由を明らかにしていない。
日本の暗号資産オンチェーン取引、1年間で倍増──DEXの利用者、DeFi取引が急増:Chainalysis
日本の投資家やトレーダーが行う暗号資産(仮想通貨)のオンチェーン取引額が1年間で倍以上に増え、中国や韓国を含む東アジアの中では最大の伸び率を記録した。ブロックチェーンデータの分析サービスを手がける米チェイナリシス(Chainalysis)が、直近の報告書で明らかにした。
急拡大の背景には、日本国内におけるDeFi(分散型金融)取引の増加があると、チェイナリシスは指摘する。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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