暗号資産(仮想通貨)で資金調達したテロ攻撃は、過去数年で約4倍に増加したと国連関係者はブルームバーグに語った。
国連テロ対策委員会執行事務局(United Nations Counter-Terrorism Committee Executive Directorate:CTED)のスベトラナ・マルティノバ(Svetlana Martynova)氏は、数年前はテロ攻撃の5%が暗号資産で資金調達したか、デジタル資産が関係していると考えられていたが、「今は約20%に達すると考えられている」と語った。
マルティノバ氏はまた、2008年11月26日に170人以上が死亡、300人以上が負傷したムンバイ同時多発テロ事件の現場の1つ、ムンバイのタージマハル・ホテルで行われた国連安全保障理事会の会合でもテロ組織の資金調達について語った。
「資金移動に関して、現金や送金が引き続きテロリストが利用する一般的な方法であることは専門家の一致した意見」と同氏は述べた。だが「新しい決済方法と組み合わせた利用も増加している」。
新しい方法には、モバイル決済システムや暗号資産が含まれるという。
「ブロックチェーン、暗号資産、クラウドファンディングは、ときに金融捜査当局が追うべき資金の流れを複雑なものにする。こうしたプロダクトの中には、匿名の国境を越えた資金移動を可能にするものもある」
ブロックチェーン調査企業Chainalysis(チェイナリシス)によると、暗号資産犯罪は2021年に140億ドル相当に達し、2020年の78億ドルから2倍近くに増加している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Crypto-Linked Terror Attacks Probably Quadrupled, UN Official Says: Report