ポリゴン(Polygon)ブロックチェーンは、Web2ユーザーをWeb3に移行させるための有力な入口となっていると米投資会社バーンスタイン(Bernstein)は11月4日にリサーチレポートで述べた。ポリゴンは、スターバックス(Starbucks)、NuBank、レディット(Reddit)、ロビンフッド(Robinhood)、メタ(Meta)などが採用している。
また、ネイティブ暗号通貨のポリゴン(MATIC)は先週、メタがインスタグラム(Instagram)にポリゴンを使ったNFT発行・販売機能を搭載すると発表した後、2日間で30%上昇した。
レポートによると、ポリゴンは2つのことを正しく実行してきたという。1つは、Amazon、YouTube、Airbnbといった世界的なIT企業から人材を積極的に採用したこと、もう1つは「事業開発力」を駆使して、多数のユーザーを抱えるブランドに接触したことだ。
「こうしたことで、ポリゴンは数百万ユーザーにとってのWeb3の入口というユニークなポジションを占め」、暗号資産ポリゴンが約1.13ドルとなっているように「市場は弱気市場のなか、ポリゴンを評価し始めた」とアナリストのゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏とマヌス・アグラワル(Manus Agrawal)氏はレポートに記した。
一方でバーンスタインは、ポリゴンに向けられている2つの批判を指摘した。ポリゴンはサイドチェーンであり、長期的な解決策にはならないということ、そして「ポリゴンはイーサリアムブロックチェーンに寄生している」という批判だ。
ゼロ知識証明ロールアップ開発のための戦略的買収
ポリゴンは賢明で、2021年の強気相場の間に戦略的買収を行ったとレポートは評価している。すなわち、ブロックチェーンの分散性とセキュリティを維持しながら、イーサリアムブロックチェーンのスケーリングを実現する「ゼロ知識証明ロールアップ(ZK-rollups)」を開発するために複数のチームを買収。技術的なハードルを乗り越え、Web2のようなスケーリングをサポートできる長期的なプラットフォームとなった。
ポリゴンは、イーサリアムブロックチェーンの「潜在的な共食い」から、補完的なスケーリングプラットフォームに移行し、イーサリアムエコシステムに価値を戻すという。したがって、「ポリゴンの成功は、イーサリアムエコシステムの成功になる」。
ゼロ知識証明ロールアップは、イーサリアムブロックチェーンのレイヤー2プロトコルで、メインネットワークに代わってトランザクションを処理することで、メインネットワークのスピードアップとコストダウンを実現する。
レイヤー2は、レイヤー1上に構築された別のブロックチェーンをいい、レイヤー1のボトルネック軽減を目的としている。レイヤー1は、ブロックチェーンのベースレイヤー、あるいは基盤となるインフラをいう。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:イスタンブール空港の広告に登場したポリゴンの共同創設者、サンディープ・ネイルワル氏(写真左、出典:Amitoj Singh/CoinDesk)
|原文:Bernstein Says Polygon Blockchain Is the Web3 King