韓国銀行、CBDCでのクロスボーダー決済とNFT取引をテスト:報道

韓国銀行(中央銀行)は、他国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)と連携させることで、クロスボーダー送金を円滑に進めるプログラムを開発・テストしたと聯合ニュースが11月7日に報じた。

同行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は9月、韓国ウォンのデジタル化に関する10カ月の実験を終えたと発表。実験中には、CBDCを使ってNFTを購入するテストも行ったという。

その際に李総裁は、デジタル・ウォンに関する複数の決定には「トレードオフ」が必要になると述べた。

アメリカ、イギリス、EUなど、主要経済圏はCBDCの発行を検討しており、中国はすでに複数の試験運用を実施。韓国は2021年にCBDCの試験を開始し、2022年1月までに2段階のうちの第1段階を完了した。

「我々は完璧な技術などは存在しないこと、そして、さまざまな目標と期待を同時に満たすことができるCBDCは存在しないことを理解している」(李総裁)

例えば、同行は「プライバシーを犠牲にしてもコンプライアンスを向上させる」決定を行い、マネー・ロンダリングおよびテロ資金供与に対する監視システムを確立し、データ提出を促進するという。

実験では、CBDCが1秒間に最大2000件の取引を処理できることが判明。だがブロックチェーン技術はまだ、リテールCBDC(個人、家庭、企業が利用するCBDC)に必要なスケーラビリティを備えていないことも判明したと李総裁は述べた。そのため、標準的な中央集権型台帳データベースを使用した方がよいかもしれないと李総裁は付け加えた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Sava Bobov/Unsplash
|原文:Bank of Korea Tested NFT Trading, Remittances With CBDC: Report