ビットコイン(BTC)マイナーは、FTX崩壊による市場パニックのなかで保有資産を使い果たしているようだ。
ブロックチェーン分析企業グラスノード(Glassnode)によると、過去1週間でマイナーの保有残高は9402ビットコイン減少し、10カ月ぶりの低水準となる182万6000ビットコイン(約306億ドル、約4兆2700億円)となっている。
マイナーのネットポジションの変化、すなわちマイナーが保有しているビットコインの30日間の推移は11月10日、マイナス1万972ビットコインとなり、1月初旬以来の低水準となった。
ビットコインマイナーの収益はビットコイン価格に大きく左右される。下落相場ではマイナーは保有するビットコインを売却して、価格上昇を待つ傾向がある。
ビットコインは11月13日までの1週間で22%下落し、6月以来最大の下げ幅となった。
マイナーの売却はしばらく続く可能性があるとアナリストはCoinDeskに語った。そうなれば、運用コストの高騰に直面しているマイナーの状況はますます悪化することになる。
「ビットコインマイニング企業は今年、価格下落やエネルギー価格(および運用コスト)の上昇によって収益が減少し、苦戦を強いられている。その結果、マイニング企業は保有するビットコインを大量に売却しており、過去6カ月間の大幅な純流出を招いている」とデータ企業のCryptoCompareは10月のレポートで述べた。
マイニング企業のBlockware Solutionsによると、ビットコイン価格が1万5000ドルに向けて下落を続けても、マイナーは必ずしもすぐにマイニングマシンを停止させるわけではない。
「多くのマイナーはPPA(買電契約)やホスティング契約を結んでおり、電力を使うか、追加料金を支払う必要がある。マイナーはビットコイン価格が上昇するか、廃業するまで、短期的には損失を出しながらマイニングを続けるだろう」とBlockwareの最新の週刊ニュースレターは記している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin Miners’ Balance Slides as FTX Collapse Weighs on Crypto