ビットコイン、イーサリアムおよび他のほとんどの主要暗号資産(仮想通貨)は、投資家がFTX崩壊の影響と格闘するなか、安定的に推移した。
ビットコイン(BTC)は過去24時間にわずかに上昇し、1万6000ドルのサポートを超えて推移した。だが一部のアナリストは、さらに下落すると考えている。
「リスク資産には複数のポジティブなマクロ要因が見られたが、市場は不安定」とコインベース(Coinbase)の機関投資家向けリサーチ責任者、デビッド・デュオン(David Duong)氏は述べた。
「FTXあるいはアラメダと関係していた企業はどこか、負債は正確にいくらになるのかはまだわからない。ビットコインは2022年の安値を再び試すだけでなく、1万3000ドル台まで下落する可能性がある。1万3500ドルがサポートになると考えている」(デュオン氏)
イーサリアム(ETH)もわずかに上昇して、1200ドル付近。だがほとんどのアルトコインはFTX崩壊の影響を受けている。
ソラナ(Solana)財団は14日、数千万ドル相当の暗号資産をFTXに保有、またFTXの株式も324万株保有していると述べた。FTXの関係から、暗号資産ソラナ(SOL)には大きな下落圧力がかかっている。
FTXのネイティブ暗号資産、FTXトークン(FTT)は13%超下落して1.27ドル、年初の約36ドルのほとんどを失っている。エックス・アール・ピー(XRP)は10%超上昇した。
CoinDesk Market Index(CMI)は、横ばい。
株式市場は直近の上昇トレンドが崩れた。アマゾン(Amazon)は今後数カ月の厳しい予想をもとに大規模なコスト削減の一環としてレイオフを発表。ナスダックは1.1%、S&P500は0.8%、ダウ平均は0.6%下落した。
FTXの破綻は暗号資産の終わりを意味するものではなく、業界を「安定」させる「決定的」瞬間とベンチャーキャピタリストのケビン・オレアリー(Kevin O’Leary)氏はCoinDesk TVで述べた。
オレアリー氏は、SEC(米証券取引委員会)のゲーリー・ゲンスラー委員長が業界の規制不足を改めて強調する前にはFTXの救済を検討していたと述べた。
「今回の災難に明るい兆しが見えるだろう。間違いない。規制と呼ばれるものだ」(オレアリー氏)
最新価格
●CoinDesk Market Index(CMI):836.53、+0.4%
●ビットコイン:16,390ドル、+0.2%
●イーサリアム:1,223ドル、+0.3%
●S&P500:3,957.25、-0.9%
●ゴールド:1,775ドル、+0.5%
●米国10年債利回り:3.87%、+0.1
テクニカル分析
「プルーフ・オブ・リザーブ(保有残高の証明)」を導入する動きが活発化している。これはコモディティの世界で長く用いられてきた手法に倣ったものだ。
コモディティ業界は、支払能力を保証し、業界に対する信頼を築くために長年にわたって、こうした証明・検証を行ってきた。ビットコインとイーサリアムがしばしば「デジタルゴールド」「デジタルオイル」と代表的なコモディティに喩えられることは、これまで以上に適切に思える。
石油や天然ガス関連の企業は、年末に確認埋蔵量を提出する。下記は、2022年1月13日に発表されたアメリカの最新の原油・天然ガス確認埋蔵量年報。アメリカの確認埋蔵量は2019年12月31日から2020年12月31日までに19%減少している。
アルトコイン
●FTXに投資していたソラナ財団、関連暗号資産は数千万ドル:ソラナ財団は14日、FTXからの引き出しが難しくなった6日時点に1億3454万セラム(Serum/SRM:サム・バンクマン-フリード氏が共同創業したDEXのネイティブ暗号資産)および343万FTXトークン(FTT)、さらにFTXの普通株式324万株を保有していたと発表した。FTX崩壊後、これらの暗号資産は下落している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Holds Steady Through FTX Gloom