ソーシャルメディア大手のフェイスブック(Facebook)は、同社の仮想通貨プロジェクト「リブラ(Libra)」のロビー活動のために、米上院銀行委員会委員長の元補佐官を迎え入れた。
フェイスブックは、メイソン・ストリート・コンサルティング(Mason Street Consulting)の創業者であるスーザン・ズック(Suzan Zook)氏を、リブラ構想における政治家対応を目的としたロビイストのチームに採用した。米政治ニュースサイト、ポリティコ(Politico)が2019年8月5日(現地時間)に報じた。ズック氏は、かつて共和党のマイク・クラポ(Mike Crapo)上院議員(アイダホ州)の補佐官を務めた経験を持つ。ズック氏は、共和党の上院議員たちへの働きかけに取り組むと、ポリティコに対して述べている。
わずか数週間前、米上院銀行委員会はリブラについての公聴会を開き、プライバシー、データ保護、アンチマネーロンダリング問題についての疑問を提起した。その公聴会には、フェイスブックからは、ブロックチェーン責任者であるデビッド・マーカス(David Marcus)氏が証人として参加した。
フェイスブックは6月、世界中の法域をまたぐ決済ツールとなる仮想通貨のローンチを目指すリブラプロジェクトを発表。しかし発表以来、複数の金融規制当局が、リブラに対して規制面での懸念を表明している。
ポリティコの報道によると、フェイスブックは今年、750万ドル(約7億9780万円)以上をロビー活動に費やしている。同社は、リブラ関連の問題に取り組むために、ロビイストを自社で採用するだけでなく、スターンヘル・グループ(Sternhell Group)やサイプレス・グループ(Cypress Group)などの、十数を超えるロビー企業も雇っている。
フェイスブックは6月、スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered)で、かつて広報と規制関連業務を担当していた、エドワード・ボウルズ(Edward Bowles)氏を採用したと報じられた。
翻訳:山口晶子
編集:町田優太、佐藤茂
写真:David Marcus image via Senate Banking Committee
原文:Facebook Hires US Senator’s Former Aide to Lobby for Libra Cryptocurrency