暗号資産(仮想通貨)ファンドは、2週連続の資金流入から反転し、資金流出となった。
コインシェアーズ(CoinShares)が11月28日に発表したレポートによると、暗号資産ファンドは2300万ドル(約32億円)の流出超。
FTX破綻後の数週間、暗号資産は下落したため、投資家は暗号資産ファンドを購入していた。だが先週、価格が横ばいとなったため、傾向は逆転したようだ。
さらにショート・ビットコインファンド、つまりビットコインの価格下落から利益を得るファンドへの資金流入が約920万ドルにのぼるため、数字上は流出額は相殺されているが、実態はさらに弱気といえる。
だが流出額は暗号資産レンディング大手のセルシウス・ネットワーク(Celsius Network)の破産後、今年上半期に相次いだ約2億ドル規模の流出から見れば、まだ小規模。
ビットコインファンドは流出超
ビットコイン(BTC)ファンドからの資金流出は1000万ドル。ビットコインは今年、価格が65%下落しているが、年初からのトータルでは3億2200万ドルの資金流入となっている。
「地域的には、ネガティブセンチメントはアメリカ、スウェーデン、カナダに集中し、ロング・ファンドからの流出、あるいはショート・ファンドへの流入が見られた。ドイツとスイスでは全般的に、ロングのみに資金を追加したり、ショート・ポジションを売り抜けた様子が見られた」とコインシェアーズのリサーチ責任者、ジェームズ・バターフィル(James Butterfill)は述べた。
暗号資産ファンドの運用資産残高(AUM)は、暗号資産価格の急激な下落のため、2年ぶりの低水準となる222億ドル(約3兆1000億円)まで減少している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinShares
|原文:Buy the Dip, Sell the Bounce: Crypto Funds Have Biggest Outflows in 12 Weeks