NFTマーケットプレイスのマジックエデン(Magic Eden)は、ロイヤリティ(クリエーターに支払われる2次流通の手数料)に関する方針を変更。新ツールの使用を選択したクリエーターへのロイヤリティ支払いを必須とするプロトコルをスタートさせると12月1日に述べた。
「オープン・クリエーター・プロトコル(Open Creator Protocol:OCP)」は、ソラナ(Solana)ブロックチェーンのトークン規格SPLで構築されたオープンソースツール。新たにコレクションを発表するクリエーターは、ロイヤリティ支払いを必須にできる。
マジックエデンは12月2日から、この仕組みを選択したコレクションにはロイヤリティ支払いを必須とし、ロイヤリティ支払いに応じないマーケットプレイスに対しては出品を禁止する。
なお、OCPを選択しないクリエイターは、引き続きロイヤリティをオプション制(任意)として設定できる。
「ソラナ・コミュニティは、NFTのロイヤリティに対するソリューションを待ち望んでいた」とマジックエデンの共同創業者兼CEO、ジャック・ルー(Jack Lu)氏はリリースで述べた。
「オープン・クリエイター・プロトコルにおける我々の狙いは、新しいコレクションを発表するクリエイターへのロイヤリティを直ちにサポートすること、そして問題解決のためにエコシステムのパートナーと調整をつづけること」(ルー氏)
さらにOCPでは、クリエイターがコレクションの取引ルールをゲーム化できる機能などが提供される。
ロイヤリティへの対応で揺れ動く業界
マジックエデンは10月にロイヤルティをオプション制に変更したばかり。当時、Twitterで、この動きは「エコシステムに深刻な影響を与える」と述べた。一方でオプション制は、早く売って利益を上げようとするトレーダーには有利となる。
当時、マジックエデンは「残念ながら、ロイヤリティはプロトコルレベルで強制できるものではない。そのため、市場力学の変化に適応せざるを得ない」と述べ、X2Y2やLooksRareなども同様の動きを取った。だがX2Y2は最近、反発を受けてその決定を翻した。
大手NFTマーケットプレイスのオープンシー(OpenSea)も11月初めにロイヤリティのオプション制に反対する姿勢を明確にし、現状は「クリエイターに支払われる手数料が大幅に減少する傾向にある」と指摘した。
またExchange.Artは11月初め「ロイヤリティ・プロテクション・スタンダード(Royalties Protection Standard)」と名付けた新規格をスタートさせ、同プラットフォームで発行されたNFTの2次流通におけるロイヤリティの徴収を保証している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Pixabay modified by CoinDesk
|原文:Magic Eden Launches Protocol to Enforce Creator Royalties