ビットコイン(BTC)をはじめとする広範な暗号資産(仮想通貨)市場は、FTX破綻をきっかけに業界の主要プレーヤーが直面した信用リスクの高まりにもかかわらず、足場を固めたように思える。だが、まだ下落トレンドが終わっていないことを示す要因が1つ残っている。
人気ミームコインのドージコイン(DOGE)は過去10日で40%上昇し、イーサリアム(ETH)の18%、ビットコインの8%を上回った。当記事執筆時点、暗号資産全体の時価総額は、CoinDeskのデータによると、10%増の8080億ドル(約109兆4000億円)に達した。
ドージコインの際立った上昇は、きわめて重要だ。歴史的に見て、ドージコインや柴犬コイン(SHIB)のようなミームコインの大幅な上昇は、市場全体の下落の前兆となっている。
「ドージコイン価格が急上昇するたびに、その直後に市場全体の大幅な下落が起きている」とブロックチェーンデータ企業Santimentは、市場分析ノートで述べた。「今まさに、そうした上昇が見られる。問題は、今回はいつもと違うのかだ」。
上図を見ると、2013年にジョークから始まったドージコインの上昇が過去12カ月では逆張り指標に進化し、投資家にビットコインや他の暗号資産の強気ポジションを削減するよう促していることがわかる。
最も顕著な例は、今年10月後半の上昇で、11月中旬にビットコインがFTX破綻によって24カ月ぶりの安値まで下落する前兆となったことだ。
歴史が繰り返されるかどうかは、まだわからない。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Santiment
|原文:Dogecoin’s Bitcoin-Beating Bounce May Be Bad News for the Market