FTXの破綻は、規制の不足によるものでも、コードベースの破損によるものでもない。人間の失態だ──今週公開されたコラムやインタビューから、日曜日に読みたい10本を厳選。
「ビットコインは終わりだ」論を考える
ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産の情報サイト「99 Bitcoins」は、ビットコインに対する「死亡宣告」の数を集計している。それによると、ビットコインはこれまでに466回、「ゲームオーバー」と宣言された。
だが、金融メディア、ソーシャルメディア、テレビでの専門家のインタビューやポッドキャストなどを考えると、この数はほぼ間違いなく少ない。暗号資産史上で最も厳しい冬の中にあっても、暗号資産支持者たちの方がメディアに登場して予測を行う人たちよりも現実を理解しているようだ。…続きを読む
FTXを崩壊させたのは暗号資産ではなく人間だ
かつては320億ドルの評価額をつけた暗号資産取引所のFTXと、その姉妹投資企業アラメダ・リサーチ(Alameda Research)の破綻は、暗号資産嫌いの人たちに改めて、ニュースの見出しを見て悦に入る喜びを提供している。
しかし、FTXは、ブロックチェーンやウェブ3を長年信じている多くの人たちが築こうとしているものとは、似ても似つかないのだ。…続きを読む
FTX破綻を引き起こした取引所トークンとは何か?
取引所トークンのFTTは、暗号資産取引所のFTXと姉妹企業であるアラメダ・リサーチの崩壊に大切な役割を果たした。両社のバランスシートを膨らませるためにFTTを使用したことを、CoinDeskのイアン・アリソン(Ian Allison)記者が報じたことが、破綻を引き起こした最初の疑惑のきっかけとなったのだ。
FTTはFTXによる詐欺において、中核的な役割を果たしていたかもしれない。…続きを読む
弁護士から、バンクマン-フリード氏へ10の質問
ニューヨーク・タイムズ紙の企画の一環でジャーナリストのアンドリュー・ロス・ソーキン(Andrew Ross Sorkin)氏が破綻したFTXの創業者サム・バンクマン-フリード氏にインタビューする予定だと聞いた時、私は反射的に自分だったらバンクマン-フリード氏に何を質問するか、思いついた10の質問をパソコンに打ち込んでいた。
もちろん訴訟となれば、数百もの質問とそれに付随する確認事項を準備することになる。バンクマン-フリード氏はまもなく、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストではなく、判事と対面することになる。…続きを読む
中央銀行によるビットコイン保有は明らかな道筋
ここ数週間の混乱の中で、暗号資産業界の本質を見失いがちになる。独立とイノベーションだ。繁栄と進歩を牽引する、これら2つの根本的な要素は、暗号資産に限ったものではない。だが、暗号資産の世界においてのみ、流動性のある資産に組み込まれている。
イノベーションの特徴の1つは、すでに存在し、また新たに誕生し続ける幅広い資産だ。すべてが生き残ることはないが、生き残るものは、個人の預金者からプロ投資家、業者から金融機関、ローカル・コミュニティから中央銀行に至るまで、経済の隅々に影響をもたらす可能性を秘めている。…続きを読む
暗号資産が混迷するなかでも、感謝すべきこと
FTX破綻のせいで、11月の暗号資産(仮想通貨)はメチャクチャだった。しかし、悲しいニュースばかりを追うのはもう止めよう。アメリカは感謝祭が過ぎ、年末のホリデーシーズンが迫っている。そこで暗号資産に関連した感謝すべきことを紹介したい。
感謝すべきことは、たくさんある。…続きを読む
FTX崩壊で再注目される暗号資産の保管方法
ここ数週間は、暗号資産市場の歴史の中でも最も波瀾万丈なものとなった。サム・バンクマン-フリード氏が創業し、かつては信頼されていた暗号資産取引所FTX(とその関連会社)が支払い能力を失い、破産申請を行ったのだ。
過去にも複数の暗号資産取引所が破産に陥り、多くの人が取引所に預けていた資産を失った。残念ながら暗号資産の世界では、取引所の破産は珍しいことではないが、FTXのずさんな資産管理の規模はこれまでに前例がない。…続きを読む
なぜ暗号資産レンディング企業の破綻は続くのか?
暗号資産レンディング企業に何が起きているのだろう? 弱気相場は業界を隅々まで痛めつけている。だが、暗号資産レンディング企業ほどではないだろう。
ブロックファイ(BlockFi)、セルシウス・ネットワーク(Celsius Network)、ジェネシス・グローバル・トレーディング(Genesis Global Trading)など、すぐに名前が思い浮かぶ。
暗号資産レンディング企業は他にもあるが、これらの企業はかつては高く評価されていたものの、今年最も見苦しい失態を見せた。何が悪かったのだろう? …続きを読む
暗号資産と自然回帰
アメリカ大陸(北米、中米、南米)には先住民の市民社会が栄えていた。これらのコミュニティは、独自のガバナンス構造を持っており、固有の所有権や精神科学、コミュニティを超えたコミュニケーションの形態も存在していた。
先住民の社会はある程度、暗号資産の世界で生まれている「分散型取引所グリッド」のようなものに似ている。これは、大規模な生産性と取引を促進するために内的インセンティブを使う文化・経済システムである。…続きを読む
ビットコイン、FTXショックで中期レンジを下抜け──復調余地はあるか?【bitbankレポート】
10月の米雇用統計で失業率が上昇したことを受けて、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅縮小期待が台頭し、11月のビットコイン(BTC)は2万1000ドルを回復して始まった。
一方、FTXの姉妹企業でヘッジファンドのアラメダ・リサーチの保有資産が、FTXが独自に発行するFTTトークン(以後FTT)で大半が占められていたことが2日にリークされると、バイナンスのCZこと、チャンポン・ジャオCEOが、同社が保有するFTTを売却すると発表。これを受けてFTT主導でビットコインも上値を重くした。…続きを読む
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:サム・バンクマン-フリード氏(Danny Nelson/CoinDesk)