ビットコインのマイニング難易度、2021年7月以来の下落率──暗号資産の冬で収益性低下

ビットコイン(BTC)のマイニング難易度は12月5日、7.32%下落し、弱気相場が利益を食いつぶすなかでマイナーはマイニング機器の電源を落としている。

マイニングプールBTC.comのデータによると、今回の大きな下落率は、中国が暗号資産マイニングを禁止し、多くのマイナーが操業停止に追い込まれた2021年7月以来。当時、中国は世界最大のビットコインマイニング拠点だった。

マイニング難易度は、ビットコインのマイニングにかかる時間をほぼ一定に保つために自動的に調整される。マイナーが多ければ多いほど、難易度は高くなる。

過去数カ月、ビットコインマイナーはビットコインの価格下落による収益減少と、電力料金高騰によるコスト増の双方からプレッシャーを受けている。コア・サイエンティフィック(Core Scientific)やアルゴ・ブロックチェーン(Argo Blockchain)などの大手マイナーは流動性不足に悩まされており、コンピュート・ノース(Compute North)は連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請した。

新しい、効率的なマイニング機器が納入され、数カ月前に着手したプロジェクトが稼働段階を迎えてハッシュレートが上昇したことで、状況は悪化。8月初旬から11月21日の直近の調整までの間に、ハッシュレートとマイニング難易度は約30%上昇していた。

マイニングの収益性は低下、ハッシュレートは上昇(出典:CoinDesk Research)

「暗号資産の冬」の現実は今、マイニング業界にも波及。マイナーの収益に打撃を与えた。ルクサー(Luxor)のハッシュプライス・インジケーターによると、マイニングの収益性は過去1カ月で約20%低下した。

ルクサーのアナリスト、ジャラン・メレルド(Jaran Mellerud)氏は、このような「低い収益性のレベルでは、アントマイナーS19j Proのようなエネルギー効率の高いマシンを使っているマイナーでさえ、0.08ドル/kWhを下回る安価な電力を利用しなければならない」と述べた。

ここ数日、天然ガス価格とともに電力価格は上昇。「スポット電力を購入し、すでに損益分岐点に近いところで操業しているマイナーにとっては、損益がマイナスとなる状況かもしれない」と付け加えた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Mining Difficulty Drops Most Since July 2021 as Crypto Winter Cuts Profitability