ブロックチェーンベースのプレー・ツー・アーン(P2E)ゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」のネイティブ暗号資産アクシー・インフィニティ(AXS)が今週、2桁%の上昇で忘却の淵から抜け出した。
しかし、レバレッジ・トレーダーはAXSの17カ月ぶりの安値からの反転が長く続くかどうか懐疑的なようだ。
その理由は、Coinglassのデータによると、AXSのアクティブスタンダード先物と永久先物の建玉が1億2970万ドルと3カ月ぶりの高水準となった一方で、資金調達率はマイナスのままだから。
資金調達率は、永久先物市場で強気のロングポジションと弱気のショートポジションを保有するためのコスト。マイナスは、ショートがロングにポジションを維持するための費用を支払っていることを示し、レバレッジが弱気に偏っていることを意味する。
建玉の増加とマイナスの資金調達率の組み合わせは、弱気サイドに新規資金が流入していることを示しており、トレーダーが空売りしているサインと言える。
暗号資産運用会社Blofinのボラティリティ・トレーダー、グリフィン・アーダーン(Griffin Ardern)氏は「アルトコインに有利な環境が遠のくなか、建玉の増加はショート増加の可能性が高いことを意味する」と述べた。
「資金調達コストがほぼゼロかマイナスの状態が続いていることは、トレーダーがまだ弱気センチメントからシフトしていないことを示している」(アーダーン氏)
アクシー・インフィニティが漸進的な分散化計画を発表した後、AXSは12月5日に3週間ぶりの高値となる10.40ドルまで上昇した。
分散化計画は、有意義な貢献をしたコミュニティメンバーが意思決定プロセスにおいて、きわめて重要な役割を果たす状態を構築することに重点を置くと、アクシー・インフィニティは「Axie Contributor Initiative Kickoff」と題した文書に記した。
「AXSの反発は典型的なイベント・ドリブンの動き」とアーダーン氏は指摘。記事執筆時点、AXSは8.4ドル付近、1週間で約22%上昇している。
先物市場の根強い弱気センチメントは、長引くFTX破綻の影響への懸念と、今年に入って暗号資産価格に重くのしかかっているマクロ経済の不確実性に起因しているだろう。
しかし、AXSの上昇が続けば、トレーダーは弱気な取引を見直さざるを得ず、ショートスクイーズ(最近、米国株で見られたようなショートの巻き戻しによる価格上昇)への道が開かれるかもしれない。
「アルトコインの流動性が低い現状を考えると、ショートスクイーズが起こる可能性は否定できない」とアーダーン氏は述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Ira Lichi/Shutterstock
|原文:Rally in Crypto Game Axie’s AXS Token Faces Skepticism From Derivative Traders