世界最大級の暗号資産(仮想通貨)オプション取引所Deribit(デリビット)が、かつてないほど忙しくなっている。
Deribitから取得したデータによると、11月のイーサリアム(ETH)オプションの取引数は10月比で10%増加し、過去最高の890万枚に達した。一方、ビットコイン(BTC)オプションの取引数は17%増の77万8000枚、2021年1月に記録した過去最高に近づいた。
名目ベースのオプション取引高は5%増の255億ドル、世界の取引高の90%以上を占めた。
世界第3位の暗号資産取引所だったFTXが破綻し、広範囲に影響が及ぶのではないかとの懸念が高まるなか、オプション取引高は上昇した。
Deribitはニュースレターで「市場のボラティリティと全体的な恐怖や不安は、取引の機会増(全体の取引高で20%増、約80億ドル増)をもたらしたが、おそらくもっと重要なことは顧客が既存のポートフォリオをヘッジできたことだ」と述べている。
さらに「Deribitでは、11月に77万8000BTCと890万ETHのオプション取引が行われ、当社のオプション決済の取引量の新記録となった」と付け加えた。
オプションは、特定の日付またはそれ以前に所定の価格で原資産を購入または売却する権利を購入者に提供するデリバティブ契約だ。コール・オプションは買う権利を与えるもので、価格上昇に対する保険に加入するようなものだ。プット・オプションは逆に、購入者に売る権利を提供する弱気な投資。
したがって、オプションの需要は、市場の不確実性の程度と密接に関連している。不確実性が高ければ高いほど、オプションの需要もアクティビティも大きくなる。
先月、FTXトークン(FTT)に関連するネガティブなニュースを受けて、トレーダーがビットコイン、イーサリアム、ソラナ(SOL)のプロテクティブ・プットを買い占めたのもそのためだ。
「オプションはリスク管理のための素晴らしいツール。これによって、より微妙な結果に焦点を当てることができる」と暗号資産取引企業で流動性プロバイダーのGSR共同創業者、リッチ・ローゼンブラム(Rich Rosenblum)氏は、Deribitでのアクティビティの増加についてツイートした。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:dennizn/Shutterstock
|原文:Crypto Options Exchange Deribit Registered Record Trading Volume in November