世界最大のビットコインファンド「グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」は12月8日、ビットコイン(BTC)価格に対して50%近い過去最高のディスカウント率となった。
暗号資産インデックスを提供するTradeBlockによると、GBTCのディスカウント率は47.3%に達した。
「現在、50%近いディスカウント率で取引されている事実は、GBTC保有者にとってまさに最悪。異なる投資手段の間の構造の質の大きな違いが強調されている」とETCグループの共同CEO、ブラッドリー・デューク(Bradley Duke)氏はCoinDeskに述べた。
広がる懸念
グレイスケールの親会社デジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group:DCG)が所有する暗号資産取引会社ジェネシス・グローバル・トレーディング(Genesis Global Trading)が破産申請を行うのではないかとの懸念が浮上し、GBTCを取り巻く弱気センチメントはここ数週間で広がっている。DCGは米CoinDeskの親会社でもある。
ジェネシス・グローバル・トレーディングは11月16日、融資部門のジェネシス・グローバル・キャピタルからの出金を停止すると発表。7日、ジェネシスは顧客宛て文書に出金停止の解消は、数日ではなく「数週間」の問題になるだろうと記した。
ジェネシスでの連鎖的な流動性問題が最終的にはGBTCの清算につながり、ビットコインの大幅な下落を招くかもしれないとの憶測がTwitterで見られた。グレイスケールがGBTCの準備金を高い透明性で証明していないとの不満もあった。
GBTCは2021年3月以降、ビットコインに対してディスカウントで取引されている。それ以前は、強い機関投資家需要を受け、2桁%のプレミアムで取引されていた。
ヘッジファンドのFir Treeは6日、グレイスケールを訴えると述べた。GBTCの詳細を入手し、マネジメントの失敗の可能性や利益相反を調査することが狙い。また、グレイスケールに出金を再開させ、2%の手数料の削減を求めるとしている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ycharts
|原文:Grayscale Bitcoin Trust Discount Widens to Record High Near 50%