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米上院のエリザベス・ウォーレン議員とロジャー・マーシャル議員が暗号資産(仮想通貨)によるマネーロンダリングとテロ資金供与を取り締まる法案を提出している。
「Digital Asset Anti-Money Laundering Act(デジタル資産マネーロンダリング防止法)」が成立すれば、ウォレットプロバイダーやマイニング事業者のような暗号資産企業には顧客確認(KYC)ルールが導入され、金融機関がデジタル資産ミキサー(資産の由来をわかりにくくするツール)と取引することは禁止される。
また、FinCEN(金融犯罪取締ネットワーク)が、金融機関に特定の取引を報告するよう求めることができるようにもなる。
マネーロンダリングやテロ資金供与での暗号資産利用に対する懸念は、議員や規制当局が頻繁に表明し、暗号資産業界に対する強固な規制の必要性を強調するために利用されている。
市場動向
ビットコイン(BTC)は12月14日、米FRB(連邦準備制度理事会)が今年最後のFOMC(連邦公開市場委員会)で0.5%の利上げを決め、2023年もさらなる利上げの可能性があると示唆したことで、それまでの勢いを失い、当記事執筆時点では1万7800ドル付近。FRBの発表直前には1万8356ドルまで上昇し、11月上旬以来の1万8000ドル超えとなっていた。オアンダのエドワード・モヤ氏は「リスク回避の動きが戻っことでドルが上昇し、暗号資産は下落した」と述べた。
イーサリアム(ETH)も同様の動きとなり、当記事執筆時点では1310ドル付近。14日、米決済大手ペイパル(PayPal)と暗号資産ウォレットのメタマスク(MetaMask)は、ペイパルの暗号資産購入・売却・保有サービスをメタマスクに組み込むと発表。ユーザーはペイパルでイーサリアムを購入し、メタマスクに転送できるようになる。
暗号資産融資プラットフォームのメープル・ファイナンス(Maple Finance)は、債務不履行が続いたことで浮き彫りになった欠点を改善するため、大規模なアップグレードを発表。CoinGeckoによると、ネイティブ暗号資産メイプル(MPL)は、24時間で6.9%も上昇したが、その後反落して1.7%上昇の3.80ドル付近となっている。
株式市場も下落。ナスダックは0.76%、S&P500は0.61%、ダウ平均は0.42%下落となった。
最新価格
●CoinDesk Market Index(CMI):882.61、-0.2%
●ビットコイン:17,834ドル、+0.4%
●イーサリアム:1,311ドル、-0.7%
●S&P500:3,995.32、-0.6%
●ゴールド:1,819ドル、+0.3%
●米国10年債利回り:3.5%、+0.0
市場分析
11月10日以来となる1万8000ドル超えとなった動きを見てみよう。この動きは本当に価値があるのか、あるいはただの短期的な上昇なのか? そうかもしれないが、こうした質問をする事実だけでもポジティブな兆候だ。
過去を見ても、季節的に見ても、ビットコインが好調な時期に入ることはない。価格チャートから見ると、ビットコインの約1万7900ドルという水準は「低ボリュームノード」にあたる。
ボリュームノードは、価格ごとの取引状況を表す。取引高の多いノードは、大きな価格合意エリアを表し、多くの場合、価格の変動は緩やかになる。
対照的に取引高の少ないノードは、取引が少ないエリアを表す。価格は次の合意エリアに達するまで、このエリアで急速に動く傾向がある。例えば、11月9日の14%下落だ。ビットコインは現在、そのときと同じエリアに入ったが、今回は上昇に転じている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Crypto Markets Today: US Regulation Heats Up; Bitcoin Rises, Then Falls