10億ドル超の資産を確認、FTX 新CFOが公聴会で発言──日本の保全資産にも言及

新たに就任したFTX幹部は現在、崩壊したFTXのポジションを解決するために、数百の銀行口座から数億ドルの現金を取り戻そうとしている。

同社の新経営陣は12月20日に開催された連邦破産法11条(チャプター11)にもとづく公聴会で、10億ドル(約1300億円)以上の資産が確認できたと語った。

破産手続きの過程で「我々はこれらの銀行すべてに連絡を取り、口座にアクセスできるように口座の署名者を変更し、可能な限り多くの現金を認可された預金取扱機関に移動させている」と新CFO(最高財務責任者)のメアリー・シリア(Mary Cilia)氏は述べた。

約1億3000万ドル(約170億円)の現金が日本に保管されているとシリア氏はFTX Japanの資産に言及し、日本の規制によって、日本の顧客のために封鎖されていると付け加えた。

なお、FTX Japanは、日本人顧客の資産は「資産の預託や保管方法および日本の法律における財産権等を考慮したところ」、アメリカでの破産手続きに巻き込まれることはないと述べている。

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さらに600万ドルは給与支払いなどの運営費用として保管されており、アメリカの未承認金融機関には4億2300万ドルがあり、ほとんどはあるブローカーに保管されていると述べたが、具体的な名称は避けた。残りの4億8500万ドルはすでに認可された預金機関に移動させたという。

複雑な状況

FTXの財務アドバイザーを務めるAlvarez & Marsalのシニアディレクター、スティーブ・コベリック(Steve Coverick)氏は、FTXがグローバルに保有している暗号資産を特定し、ビットゴー(Bitgo)などのカストディ(管理・保管)事業者を利用してコールドウォレットに移行させる「取り組みが進行中」と述べた。

連邦破産法11条の公聴会は、取引所の整理・清算を目的としているが、バンクマン-フリード元CEOのもとではガバナンスが脆弱、かつ記録管理が不十分だったようで、複雑な状況になっている。新経営陣は、Google DriveやSlackなど、さまざまな場所に保存されていた利用規約などをを見直さなければならなかったとコベリック氏は語った。

FTXは破産法で義務づけられている資産や財政状況に関する報告書をまだ提出しておらず、現状、4月に提出できると考えているとシリアCFOは述べた。同社は世界中で何人の従業員を抱えているのか(シリアCFOは220人と推定)、破産に至るまでの出金額はいくらだったのか、まだ整理できていない。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:FTX Has Over $1B in Cash, Creditor Meeting Told