暗号資産の冬が業界に打撃を与え続ける中、ビットコイン(BTC)マイニング大手のコア・サイエンティフィック(Core Scientific)が破産を申請した。
同社は、テキサス州南部地区破産裁判所に米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請。申請書によると、推定される負債は10億ドルから100億ドル、債権者は1000人から5000人で、最大の無担保債権者は投資銀行のBライリー(B. Riley)という。資産も10億ドルから100億ドルのと推定されている。
ビットコインネットワークのコンピューティングパワーの約10%を占め、14万3000台のマイニングマシンを保有し、さらに10万台をホスティングしている同社の破綻はマイニング業界で過去最大級。すでに大きな打撃を受けている業界にさらなる衝撃を与えることになりそうだ。
ナスダック(NASDAQ)に上場している同社は10月下旬に初めて倒産のリスクを警告。ローンの支払いの一部を停止すると述べたことで株価が約80%急落した。11月には今年中に資金が枯渇する可能性があることを改めて表明した。
先週、投資銀行のB.ライリーは、即時の4000万ドルの融資を含む、7200万ドルの資金調達を提案。ただし、3200万ドルはビットコイン価格が1万8500ドルに達した時点で用意される条件だった。コア・サイエンティフィックは同銀行への未払金が4200万ドル残っている。
BTCハッシュレートの約10%
多くのマイニング事業者は、エネルギー価格の上昇によるコスト増とビットコイン価格の低迷による収益減で経営難に陥っている。コンピュート・ノース(Compute North)は9月下旬に連邦破産法11条の適用を申請。アイリス・エナジー(Iris Energy)は、債務不履行となった1億ドル強の融資に関連して、計算能力の約72%を失った。グリーニッジ・ジェネレーション(Greenidge Generation)は貸し手のニューヨーク・デジタル・インベストメント・グループ(NYDIG)と債務再編の合意を発表したが、追加資金を確保できなければ、2カ月以内に資金不足に陥る可能性がある。
コア・サイエンティフィックは、レンディング大手のセルシウス・ネットワーク(Celsius Network)のマイニング部門とブロックファイ(BlockFi)の破産にも影響を受けた。
セルシウスは7月に連邦破産法11条の適用を申請し、9月には自動停止条項に違反したとしてコア・サイエンティフィックを提訴している。一方、コア・サイエンティフィックはセルシウスが9月30日現在で520万ドルの債務を負っていると主張している。
申請書によると、コア・サイエンティフィックは10月末の時点で24万3000台のマシンを稼働させており、自社分のハッシュレートは14.41エクサハッシュ/秒(EH/s)、他社向けのホスティングは10EH/s。これは当記事執筆時点での世界のトータルハッシュレート、約243EH/sの約10%に相当する。
同社は2022年1月20日、特別目的買収会社(SPAC)のPower & Digital Infrastructure Acquisitionと合併し、ナスダックに上場していた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Core Scientific
|原文:Core Scientific, One of the Largest Bitcoin Miners, Files for Bankruptcy Protection