三菱UFJ信託銀行が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム」(DCC)は12月23日、11月に設置した「パーミッションレス型ステーブルコイン(SC)ワーキンググループ」による中間整理内容を公表した。
ステーブルコインについての規制は、2022年6月の資金決済法改正によって導入されたが、パーミッションレス型ステーブルコインに対する規制の重要部分は今後、政府令などで定められる。今回の中間整理では、まずパーミッションレス型ステーブルコインの導入意義を検討、「決済システムの未来」につながり「“Web3”といった新時代における国際競争力の確保」に資する重要度の高い取り組みであることを確認し、以下3つの類型にまとめている。
- 国内発行/円建てステーブルコイン:国内の仲介者と信託銀行とが協働し、グローバルで流通可能な“国産”ステーブルコインを発行するスキーム
- 国内発行/外貨建てステーブルコイン:すでに海外で発行/流通済みのステーブルコインの発行体と、国内の信託銀行とが協働し、発行体が国内信託銀行となるために送金上限額の制約などを考慮する必要のないスキーム
- 海外発行/外貨建てステーブルコイン:すでに海外で発行/流通済みのステーブルコインを国内でも利用可能にするためのスキーム
中間整理は、3つの類型のスキームの詳細と問題点、対応策をまとめており、今後の取り組みとして、法律改正などを必要とせず、短期的に解決が可能な施策についてアクションを起こしていくとしている。
なお、三菱UFJ信託銀行はすでに伝えたように、次世代のデジタル資産プラットフォームとして開発・提供を進めている「Progmat(プログマ)」を、広く業界をあげて「ナショナルインフラ」とする取り組みを開始する。
上記の図中の「パーミッションドSC基盤」にも「パーミッションレスSC基盤」にも対応できるProgmatの開発・提供と、今回、中間整理を公表したDCC(会員企業数166社、12月23日時点)の運営を担う合弁会社の設立に向けて、同行をはじめ、みずほ信託銀行、三井住友信託銀行、三井住友ファイナンシャルグループ、SBI PTSホールディングス、JPX総研、NTTデータの7社で検討を開始する。
パーミッションレス型ステーブルコインは、NFT、メタバースなど、Web3エコシステムの発展に欠かせない要素。導入・普及に向けた動きも、ナショナルインフラの構築を目指す共同事業体が中心となって推進することになる。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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