独自のブロックチェーンを今年6月にローンチしたメッセージングアプリ大手、カカオ(Kakao)は、仮想通貨ウォレット「クリップ(Klip)」を今年中にリリースする計画だと述べた。
CoinDesk Koreaの報道によると、同社は2019年8月12日(現地時間)に、同社のアプリ「カカオトーク(KakaoTalk)」の「その他(More)」のタブにティーザーページを投稿し、計画されている製品の詳細をいくつか提供した。
カカオ傘下のブロックチェーン開発企業グラウンドX(GroundX)が開発したクリップは、ユーザー情報とデジタル資産を管理するデジタルウォレットとなる。具体的には、同社のブロックチェーン「クレイトン(Klaytn)」のネイティブトークン「クレイ(Klay)」と、同社のKRC-20基準に基づく関連トークンに対応する。
同社によると、ユーザーは同社の決済サービス「カカオペイ(Kakao Pay)」と同様に、カカオトーク内の連絡先にデジタル資産をリアルタイムで送信できるようになる。
クレイトンは、6月27日にメインネットにローンチされた。グラウンドXは従来のウェブサービスと同等のレスポンス速度を誇ると述べている。
クリップのティーザーページには、食事推奨プロジェクト「ヒントチェーン(Hintchain)」など、初期パートナーとなる分散型アプリケーション(Dapp)サービスのロゴもいくつか掲載されている。カカオによると、ユーザーはこれらの分散型アプリを使用することで報酬として仮想通貨を得ることができ、獲得した仮想通貨をクリップで保有し、管理できるという。
将来的には、他のデジタル資産の貯蓄や取引を可能とする機能も追加される予定だとカカオは述べている。これらには、クレイベースの代替不可能トークン(NFT)やクリプト・コレクタブル(収集品)も含まれる。クレイ対応のブロックチェーン・ゲームで獲得されたアイテムはNFTとして作られ、クリップに保存したり他のユーザーと交換することが可能となる。
グラウンドXは先月、ビスケット・ラボ(Buiscuit Labs)の「クレイトン・ナイト(Klayton Knights)」、ミックス・マーブル(Mix Marble)の「マーベル・クラン(Marvel Clans )」、スカイメービス(SkyMavis)の「ExiInfinity」などの多くのブロックチェーン・ゲームがクレイ・トークンを使うと発表した。
カカオは、「カカオページ(Kakao Page)」、「カカオ・フレンズ・ショップ(Kakao Friends Shop)」、「カカオゲーム(Kakao Game)」のような他のアプリをインストールしなくても、クリップをカカオトーク経由で使うことができるとも述べた。
カカオによると、クリップをカカオトークの 「その他」 タブから直接利用できるようにすることで、アクセシビリティを向上させることを目指しているという。
クリップはさらに、5000万人のカカオトークユーザーが、クレイトンをベースとしたサービスをクリップ経由で有機的に利用できるようにすることで、ブロックチェーン技術の普及を促進することを目指していると述べた。
翻訳:新井朝子
編集:町田優太
写真:Images courtesy of Kakao via CoinDesk Korea/Kim Byung Chul
原文:Kakao Teases 2019 Launch of Crypto Wallet, Dapp Partners