メタバースは必須:米マイクロソフト幹部

米マイクロソフトの最高戦略責任者ヘンリー・ブゼイ(Henry Bzeih)氏が1月5日、ラスベガスで始まった世界最大規模のテクノロジー見本市「CES」の会場に設置されたCoinDesk TVの特設スタジオに生出演。世界がよりデジタルに向かっていくなか、消費者と企業の関係では(リアルとデジタルの)ハイブリッドモデルが将来の主流になる可能性が高いと述べた。

「カスタマーエクスペリエンス全体について語るとき、メタバースを考慮に入れなければならない」と自動車とテクノロジーの分野で28年の経験を持つ同氏は述べた。

2020年以来の通常開催となったCESは、最も影響力のあるテクノロジーイベントの1つとされ、世界中のさまざまな新製品、新技術が発表されることで知られている。

マイクロソフトが現在注力していることは、顧客がプラットフォームを利用してショッピングを行う方法を変革するための「モビリティ・クロス機能」とブゼイ氏は述べた。

メタバースでの自動車購入

一例として同氏は、自動車の購入方法をあげた。消費者は地元のディーラーに足を運ぶのではなく、メタバースを通じて、車の「色、特徴、機能」を設定できるようになるという。

さらにマイクロソフトがバーチャル・カーショールームで紹介している電気自動車「フィアット 500e」を例にあげ、マイクロソフトがメタバース企業「タッチキャスト(Touchcast)」と提携し、フィアットの新しいEVのデータ開発を支援することは「当然の流れ」と述べた。

しかし、実際にはメタバースでの自動車販売を米国市場に導入するなどの大きな課題が残っている。自動車ディーラーは小規模な企業がフランチャイズに参加して事業を行っているケースが多く、オーナーを説得する必要がある。一方、オーナーはまだメタバースに戸惑うことが多いという。

解決策は、企業が物理的な場所に投資した「数百万ドル」がただ消え去るわけではないことを保証するハイブリッドモデルであり、「リアルな場所から離れ、すべてのエクスペリエンスをリアルな場所からなくすことは、企業にとって意味がない」とブゼイ氏は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk TV(キャプチャ)
|原文:Microsoft Exec Says Metaverse Is Must-Have