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米暗号資産(仮想通貨)取引サービス大手のコインベース(Coinbase)は1月9日、2023年第2四半期末までに完了する予定のリストラの一環として、従業員を約950人削減すると発表した。
この数字は、同社のウェブサイトによると約4700人いる従業員の約20%に相当する。
コインベースは、暗号資産の弱気相場が始まった2022年6月に人員整理を始めた。CEOのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏は当時、2021年初頭に従業員数を1250人から5000人以上に拡大したことに触れ、強気相場の中で「急速に成長しすぎた」と述べた。
ウォール街のアナリストはコインベースのレイオフに肯定的な反応を示した。「今朝のニュースは前向きなものだ。同社が非常に厳しい暗号資産/マクロ環境の中で財務的な統制を深刻に受け止めていることを示している」と英銀大手バークレイズのアナリストは記した。だが一方で、同社が今後の厳しい1年に備えているサインである可能性も指摘した。
また、イーサリアムブロックチェーンのアプリケーションとインフラの開発を手がけるコンセンシス(ConsenSys)も、100人以上のスタッフをレイオフすると、本件に詳しい人物が語っている。
市場動向
ビットコイン(BTC):24時間で1.7%上昇し、1万7400ドル付近。一時、1万7488ドルまで上場し、ほぼ4週間ぶりの水準となっている。だが、しばしば「クジラ」と呼ばれる大口投資家は、ビットコイン市場の流動性が低いため、様子見を続けている。
イーサリアム(ETH):24時間で1.5%上昇し、1340ドル付近。ビットコイン同様に、ほぼ4週間ぶりの水準まで上昇している。
バイナンスUSD(BUSD):大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)は、ブルームバーグによると同取引所が手がけるステーブルコインのバイナンスUSDが、常に準備金で完全には裏付けられていなかったことを認めたが、現在は問題は改善されたと述べたという。ブルームバーグは、ブロックチェーン分析会社ChainArgosの分析をもとに、バイナンスUSDは、2020年と2021年に担保不足に陥った時期があったと伝えている。
株式市場:FRB(連邦準備制度理事会)のミシェル・ボウマン理事が9日、インフレを抑制するためにさらなる利上げを期待すると述べたことを受けて、株式市場は上昇した。ナスダックは1.0%、S&P500は0.7%、ダウ平均は0.5%上昇した。
最新価格
●CoinDesk Market Index(CMI):853.03、+1.6%
●ビットコイン:17,486ドル、+1.8%
●イーサリアム:1,342ドル、+1.8%
●S&P500:3,919.25、+0.7%
●ゴールド:1,882ドル、+0.5%
●米国10年債利回り:3.62%、+0.1
市場分析
ボラティリティ上昇の兆候がビットコインとイーサリアムに表れ初めているかもしれない。ただし、こうした兆候は楽観的であることが多く、いかなる指標も単独で判断することはリスクが高い。
ビットコインは12月13日にボリンジャーバンドの上限を突破したが、14日後に2%下落。イーサリアムは10月29日に上限を突破し、14日後に22%も下落した。
強気の投資家は、価格が以前は取引高が引くかった領域に入りつつあることに注目するだろう。これらの「低ボリュームノード」は一般的に、価格が次の合意領域を求めて迅速に動く領域とされている。
例えばビットコインの場合、次の合意領域は現状から約9%上昇した1万9000ドル付近、イーサリアムは約16%上昇した1590ドル付近となる。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk and highcharts.com
|原文:Crypto Markets Today: Coinbase Announces More Job Cuts Amid Market Jitters