インフレに見舞われた国々は、常に通貨の切り下げから資産を守るための代替手段を求めてる。CryptoCompareの2022年のレポートによると、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は昨年、こうした傾向を最も活用したという。これらの国々の個人投資家はアクセスの簡単さを求めることが主な理由だ。
バイナンスは暗号資産取引所の中で最大シェアを獲得し、16.3%増となった。
「バイナンスの市場シェア拡大は、特に新興市場で暗号資産の普及が導入が進んでいる結果でもある」とレポートは記している。多くの場合、バイナンスは新興市場のユーザーにとって、最も簡単に利用できる選択肢となっているという。
CoinMarketCapによると、バイナンスは世界最大の取引高を誇る。過去24時間のスポット取引高は140億ドル(約1兆8000億円)を超え、2位以下の20の取引所の合計を上回った。
昨年のマクロ経済の混乱のなか、ブラジルとロシアのインフレ率は、それぞれ11.9%、17.2%に達した。この時期、バイナンスでのロシアのルーブルとブラジル・レアルの取引高はそれぞれ232%、72%増加した。
新興国の他の国々ではインフレがさらに進行しており、消費者は物価高騰の影響を受けにくい資産を探すようになった。
「暗号資産には固有のリスクがあるにもかかわらず、新興国での暗号資産の普及と取引高の増加は今後も続くと予想している」とレポートは述べている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CryptoCompare
|原文:Binance Garnered Largest Market Share of Crypto Investors From Emerging Markets in 2022