暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)のステーブルコイン「バイナンスUSD(BUSD)」の時価総額の減少が続いている。
CoinGeckoによると、バイナンスUSDの時価総額は1月25日、154億ドル(約2兆円)まで低下し、1週間で10億ドル、1カ月で20億ドルの減少となった。
バイナンスUSDは、FTX崩壊の影響、さらに12月に監査法人Mazarsがバイナンスのプルーフ・オブ・リザーブ(PoR:準備資産証明)に関する業務を停止すると発表したことで時価総額が減少していた。昨年11月には過去最高の230億ドルを記録していた。
この減少は、同取引所が発行する「バイナンス-ペグ・トークン(Bトークン)」に関する不手際(準備金の一部が誤って顧客資産と同じウォレットに保存されていた)をブルームバーグが伝えたことが一因となった。
また今月初め、ブロックチェーン調査会社ChainArgosは、2020年から2021年にかけて、バイナンスUSDは常に完全に準備金で支えられていたわけではなかったと発表。バイナンスは事実を認め、現在は是正済みと述べた。
こうした問題によって、バイナンスUSDは激しい競争を繰り広げているライバルに遅れをとっている。
データサイトのDefiLlamaによると、バイナンスUSDは1カ月で時価総額の11.3%を失った。一方、テザー(USDT)は1.3%増加、USDコイン(USDC)は1.9%減少にとどまっている。バイナンスUSDは、これらを含め、トップ3のステーブルコインの中で唯一、昨年まで時価総額を伸ばしていた。
CryptoCompareによると、1月のステーブルコイン全体の時価総額は10カ月連続で減少し、1370億ドル。暗号資産市場におけるステーブルコインのドミナンスは、12月の過去最高の16.5%から12.4%に低下し、トレーダーがステーブルコインからリスク資産に資金を移していることを反映しているとCryptoCompareは述べている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Binance USD Stablecoin Sees $2B Reduction in a Month Amid Token Mismanagement