ポルシェNFT、フロア価格が上昇──発行停止による供給減が後押し

ポルシェ(Porsche)のWeb3戦略に対して、ツイッターで批判が高まった後、流通市場(二次市場)で同社NFTコレクションのフロア価格が上昇している。

現状、フロア価格はミント(発行)価格の2倍以上になっている。1月23日に発行がスタート直後、フロア価格は発行価格を下回っていたが、状況は変化している。

当初の計画では、7500個のNFTを0.911イーサリアム(ETH)、約1420ドル(約18万5000円、1ドル=130円換算)で販売する予定だった。しかし、ツイッターではすぐにコレクションに対する批判が高まり、失敗の要因として大量の供給と高い価格、そして同社のWeb3戦略への無理解が指摘された。

ポルシェは24日、発行を停止すると発表。結果的に発行数が2363個にとどまったことが価格を上昇させた。

大手NFTマーケットプレイス「オープンシー(OpenSea)」によると、ポルシェ911をモチーフにしたNFTは現在、フロア価格3.3イーサリアム、約5200ドル(約67万6000円)で取引されています。コレクション全体の取引高は1344イーサリアム、約212万800ドル(2億7700万円)にのぼる。

ポルシェは25日、ツイッターで同社のでWeb3戦略を明らかにし、NFT発行についての詳細を説明した。NFTは希少性をベースにさまざまなことが可能になり、例えば、保有者には今後数カ月でイベントや体験が提供される予定だ。

ツイッターでの批判に対して、ポルシェの広報担当者は、同社のNFTは「長期投資を意図している」と米CoinDeskに語った。

「我々はNFT発行に、アート愛好家やポルシェ愛好家から多くの関心が寄せられていることを認識している。Web3コミュニティの多くの顧客は、直接的なリセールは採算が合わないと判断したようで、明らかに(購入を)控えている。コミュニティの規模は、我々にとって決定的なものではない。重要なのは、コミュニティに対して、可能な限り特別で、個性的なイベントやユーティリティを提供できることだ」と広報担当者は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ポルシェのNFT(OpenSea)
|原文:Porsche NFT Floor Price Races Up Following Bumpy Mint