ビットコイン、2013年以来最高の1月に──アメリカの機関投資家が牽引

ビットコイン(BTC)は2013年以来、最も好調なスタートを切った。時価総額で世界最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格は、米ドル安を背景に今月40%上昇した。この上昇の原動力は主にアメリカ国内の買い手であると、オブザーバーは述べている。

  • 「ビットコインは今年累計で40%上昇しており、そのうちの35%はアメリカの取引時間中に発生したものだ。アメリカの投資家が上昇の85%に貢献している」と暗号資産サービスプロバイダー、Matrixportのリサーチ&戦略責任者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は、金曜日のクライアントへのメモで述べている。
ビットコインのリターンを地域別の取引時間に分解したグラフ。 (Matrixport Technologies)
  • 「我々は、これをアメリカの機関投資家がビットコインの買い手だという明確なシグナルと解釈している」とティーレン氏は付け加えた。
  • ビットコインは2013年1月にも51%急騰している。
  • 株式と異なり、ビットコインや暗号資産全般は24時間取引されるため、オブザーバーはさまざまな異なる時間枠の注文フローを追跡し、買い圧力や売り圧力の原因を推し量ることができる。
  • 機関投資家の強気な姿勢は、シカゴ・マーカンタイル取引所に上場しているビットコイン先物のプレミアムが上昇していることからも明らかだ。
  • 「機関投資家はビットコインをスポットで買っているだけでなく、永久先物にも常に高いプレミアムがついている。これは、機関投資家やヘッジファンドが、最近の暗号資産市場の落ち込みを積極的に買っていることを示していると我々は解釈している」とティーレン氏は述べた。
  • Deutsche Digital Assetsも今月初めに同様の見解を示し、コインベース(Coinbase)プレミアム指数の上昇を、個人投資家に比べて洗練されたアメリカの機関投資家の買い意欲が高まっている証拠として注目した。
  • 「伝統的で暗号資産に焦点を当てたヘッジファンドや企業、伝統的な資産運用会社が買っている」と、コインベース・インスティチューショナル(Coinbase Institutional)のリサーチ責任者であるデビッド・グオン(David Guong)氏は、1月20日に発表した週刊のマーケットコメンタリーに書いている。
  • ビットコインの機関投資家主導の強気転換は、暗号資産がS&P500よりも数週間先に底打ちした過去の記録を考えると、アメリカ株式市場にとって良い兆候かもしれない。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Matrixport Technologies
|原文:Bitcoin on Track for Best January Since 2013, Led by Bullish Trading in US Hours