イギリスの暗号資産(仮想通貨)取引所Archaxは、機関投資家が暗号資産セクターの信頼を回復するために事業を強化する中、規制当局の承認を得て、デジタル資産のカストディサービスを開始した。
ロンドンに拠点を置くArchaxの新しいカストディ事業は、金融行動監視機構(FCA)が暗号資産を扱う企業に対して課した高いハードルをクリアした、数少ないサービスの1つだ。Archaxによれば、保管される資産はすべて取引所から完全に分離された状態になるという。つまり、取引事業が破綻しても、保管されている資産は破産手続きの対象にはならないということだ。
「FTXのような出来事は、より伝統的なアプローチの必要性を浮き彫りにした」と、Archaxの最高マーケティング責任者サイモン・バーンビー(Simon Barnby)氏は述べている。「我々はFCAの規制に適合したカストディアンとして、暗号資産、ファンドや不動産などのトークン化された資産、そして伝統的なコモディティや現金を顧客のために保管することが許されている」
Archaxのカストディ・サービスは、スイスのMPC(マルチパーティ計算)技術プロバイダーであるメタコ(Metaco)と提携したことによって、銀行や大手機関投資家へさらにアピールすることになるだろう。このサービスは、世界の大手銀行の多くに馴染みのある、実績のあるセキュリティ環境であるIBMクラウド(IBM Cloud)を使用する予定だ。
「我々は、適切な専門知識を持つパートナーを探していた。特に暗号鍵のセキュリティに関しては、パートナーの技術を使うことはできても、外部に委託することはできない。なぜなら、FCAは我々自身が管理することを要求しているからだ」とバーンビー氏は述べている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:UK Crypto Exchange Archax Launches FCA-Regulated Custody Service