ビットコインは過去14カ月で最も強気──米雇用統計に注目

ビットコイン(BTC)は現在、2021年後半に比べて大幅に価格が下がっている。それでも、市場の雰囲気は当時と同じようにポジティブだ。

それは、ビットコインの永久先物の価格をスポット価格と同期させる仕組みである資金調達率(ファンディングレート)からのメッセージだ。永久先物がスポットより上で取引されているとき、ファンディングレートはプラスで、強気のロング(買い)ポジションの保有者は、取引を継続するために弱気のショートポジションを支払う。一方、永久先物がスポット価格より低い価格で取引されているときは、その逆の現象が起こる。

アナリストは資金調達率を追跡して、レバレッジ・トレーダーのムードを測る。資金調達率が高いほど、トレーダーは価格の見通しにエキサイトし、上昇への賭けを維持するためにプレミアムを喜んで支払っていることになる。

永久先物価格とスポット価格の差がプラスに転じ、強気心理が再燃していることを示している。(Glassnode)

ブロックチェーン分析会社グラスノード(Glassnode)のデータによると、木曜日の時点でバイナンス(Binance)を含む主要な暗号資産(仮想通貨)取引所のビットコイン永久先物の資金調達率は8.491%で、2021年12月3日以来最高となった。

その当時、1ビットコインの価格は約5万7000ドルで、現在の市場レート2万3400ドルの2.5倍だった。ビットコインは2021年11月に過去最高の6万9000ドルを記録している。

昨年12月中旬、資金調達率がプラスに反転し、売り手の疲弊を示していた。ビットコインは年明けに強い買いを集め、40%以上暴騰した。

パリに拠点を置く暗号資産データ企業カイコ(Kaiko)のリサーチアナリスト、デシスラバ・ラネバ(Dessislava Laneva)氏は、アメリカの消費者物価指数(CPI)に言及したツイートで「(12月の)CPI発表後の市場心理に明らかな変化があった。資金調達率が大きくプラス領域に入り、ボラティリティが上昇している」と述べている。

12月のCPIは6.5%に低下し、6カ月連続で物価上昇率が減速した。このデータは、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が今年後半に流動性を高める利下げに軸足を移す可能性が高いことを市場に確信させた。

FRBのジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長がインフレが緩和している状況を認めため、この先の利下げ観測がさらに強まっている。

アメリカの非農業部門雇用者数に注目

FXStreetから入手したロイターの予測によると、2月3日の協定世界時(UTC)午後1時半(日本時間午後10時半)に発表される予定のアメリカ非農業部門雇用者数(NFP)レポートは12月の22万3000人増に続いて、1月に18万5000人の雇用が増加したことを報告する可能性が高いという。

失業率は3.6%とやや上昇し、賃金上昇率を示す平均時給は12月の前年同月比4.6%増に続き、同4.9%増になると予想されている。

潜在的なインフレ指標でもある平均時給の顕著な増加に加え、雇用者数が大きく増加した場合、投資家はFRBがより長期にわたって金利を高く維持し、仮想通貨を含むリスク資産の強気なポジションを縮小する可能性を再考するかもしれない。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin Market Sentiment Is Most Bullish in 14 Months With U.S. Jobs Report Due