バイナンス、納税額計算ツールを導入──まずはカナダとフランスで提供

暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンス(Binance)は各国政府の暗号資産への課税を厳格化する姿勢が強まる中、ユーザーが暗号資産の取引に関する納税額を計算するのに役立つツールを導入した。

この無料ツールは最大10万件の取引をサポートし、まずカナダとフランスのユーザーに提供される。今後、他の地域にも拡大していく予定だとバイナンスは2月6日のブログ記事で述べている。

ここ数カ月、いくつかの国が暗号資産の課税に対してより厳格な要件を導入している。イタリアは昨年末から2000ユーロ(約28万4000円)を超える仮想通貨の取引益に26%の税金を課している。一方、インドは今月、暗号資産の課税ルールを厳格化し、報告要件を遵守しない場合、最大84カ月の懲役刑を科すという規定を導入した。

バイナンスの目的は、ユーザーの利益と損失の計算を簡略化することだという。頻繁に取引を行うトレーダーにとって、取引は何千回にもおよぶ可能性があり、正しい計算を行うためのに何時間もかかることがある。ただし、このツールは開発の初期段階にあり、すべての種類の取引をサポートしているわけではないので、ユーザーによる調整が必要だという。

「バイナンスでの取引をワンクリックで当社の計算機にインポートし、地域に応じた納税内容のシンプルかつ包括的な見積もりを提供することができるようになった」とバイナンスは述べている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Exchange Binance Introduces Tool for Calculating Taxes on Transactions