ビットコイン(BTC)は米東部時間6日、5日連続の下落で推移している。米CoinDeskのデータによると、24時間で約0.5%下落した。
「ビットコインは多少荒い値動きとなっているが、おおむねまだ良い状態に思える。過去数週間のレンジ内にあり、今年の高値からさほど下落していない」とOandaのシニアマーケットアナリスト、クレイグ・エルラム(Craig Erlan)氏は6日、メモに記した。
アメリカ経済が不況に陥ることなくインフレが緩和していることに対して、投資家が信頼が深めるなか、ビットコインは年初から約40%上昇している。だが3日、予想外に堅調な雇用データが新たな懸念を引き起こし、先週、数回2万4000ドルを超えていたが、週末には2万3000ドルを割った。
一方、イーサリアム(ETH)は24時間で約1.3%上昇し、1640ドル付近。暗号市場全体のパフォーマンスを測定するCoinDesk Market Index(CMI)は、1%上昇した。
株式市場は、投資家が雇用データに対する米連邦準備制度理事会(FRB)の対応を見極めようとするなか、下落した。
パウエルFRB議長の講演を注視
暗号資産運用会社IDX Digital Assetsの最高投資責任者、ベン・マクミラン(Ben McMillan)氏は「雇用統計は、FRBは金利を長期間高止まりさせておくことはできないという事実に信憑性や信頼性を与え、市場はゆっくりとそれに反応し始めた」と語った。
また同氏は、ビットコインは2万ドルが強固なサポートとなっているが、この重要な水準を再び試すことになっても驚かないと述べた。
「ボラティリティは、たとえ上昇トレンドが構造的に強気であったとしても、今年も続くだろう。投資家が今注視すべき重要なことは、ビットコインのボラティリティを理解し、ポートフォリオにどの程度、組み入れるかだと考えている」(マクミラン氏)
暗号資産オプション取引会社QCP Capitalは、投資家は現状、7日にワシントンD.C.の経済クラブで行われるパウエルFRB議長の講演に注目しており、講演は「市場が十分に評価していない内容があり、多少事態を揺さぶる」かもしれないと見ている。
QCP Capitalは、6日と、パウエル議長の講演後の7日の株式のパフォーマンスは「暗号資産の次の動きを導く」と6日、テレグラムに記し、「パウエル議長が来週の消費者物価指数のデータを待つ姿勢を見せた場合、我々は神経質に待つことになるかもしれない」と続けた。
他の暗号資産
DAO(自律分散型組織)のLidoのガバナンストークン、リドダオ(LDO)は一時2ドルを割った後、約14%上昇して2.28ドル付近。Coinglassのデータを見ると、LDOの資金調達率はプラスで市場センチメントが強気であることを示している。
5日に約5.5%下落したにもかかわらず、レイヤー1トークンのファントム(FTM)は、1週間で約15%上昇した。暗号資産データ企業Kaikoの6日のレポートによると、ファントムの主要開発者アンドレ・クロンジェ(Andre Cronje)氏が離脱を発表してから1年未満で復帰したことが上昇の要因になったという。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Holds Steady Near $23K as Investors Weigh Their Next Steps