仮想通貨取引所コインベース、Xapoの法人向けカストディ事業を買収:報道

仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)は、仮想通貨ウォレット、およびカストディサービスを提供する、ザポ(Xapo)の法人向け事業を買収した。

コインベースは2019年8月16日(現地時間)、今回の買収によって同社のカストディ事業の拡大は後押しされ、カストディ事業の預かり資産は70億ドル(約7447億3000万円)以上にまで増えることになる、と述べた

コインベースは投資大手フィデリティ(Fidelity)という強力な競合に打ち勝ち、ザポの法人事業を5500万ドル(約58億5100万円)で買収した。米ビジネス誌フォーチュン(Frotune)が8月16日(現地時間)に報じた

コインベース・カストディ(Coinbase Custody)のCEO、サム・マッキンベール(Sam McIngvale)氏は、コインベースが将来的に仮想通貨の貸し付け事業を検討することもあり得る、とフォーチュンの記事で示唆した。「根本的に我々は、投資家が資産から利益を獲得することができるように手助けする必要があります。ビットコインを貸し付けて、そこから金利を得るということを想像できます」と、マッキンヴェール氏の発言が引用されている。

2013年創業のザポは、そのウォレットサービスで知られている。同社は、秘密鍵の安全性を確保するために、スイスにある金庫室を用いて、顧客の暗号資産をオフラインで保管している。

フォーチュンによると、ザポの大口顧客の大半は、今回の買収に伴い、暗号資産をコインベースへと移すことをすでに決断している。これによってコインベースは、ザポの顧客の、現在の価格で約53億ドル(約5636億6300万円)に相当する、51万4000BTC以上を保管することになる。

コインベースのCEO、ブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏は2019年5月、CoinDesk主催イベントConsensus 2019にて、コインベース・カストディは70社を顧客として抱え、その預かり資産額は10億ドル(約1063億6400万円)を超えたばかりだ、と語った。

フォーチュンは、コインベースがザポの残りの顧客も取り込むことができれば、コインベース・カストディは80億ドル(8509億1200万円)以上に相当する、86万BTCを保管することになる、と伝えられている。

「我々は弊社の法人向けカストディ事業が素晴らしい保険、借入、投資手段を提供できる企業の手に渡ると確信して、コインベースを選びました」と、ザポの創業者兼CEO、ベンセス・カサレス(Wences Casares)氏は語った。

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Brian Armstrong image via CoinDesk
原文:Crypto Exchange Coinbase Acquires Xapo’s Institutional Custody Business