3月中旬に予定されているイーサリアムの「シャンハイ」アップグレードにより、ステーキング比率が中期的に上昇すると、JPモルガン(JPMorgan)は2月8日のレポートで述べている。
現在14%の比率が上昇する余地は十分にあると同行は述べている。なぜなら、他のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)ネットワークの平均はその約4倍だからだ。
ニコラス・パニギスツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるJPモルガンのストラテジストは「ステーキング比率が時間とともに他の主要PoSネットワークの平均値である60%に収束すると仮定すると、バリデーターは50万から220万に増え、利回りは現在の7.4%から約5%に低下するだろう」と書いている。PoSシステムでは、バリデーターはブロックが正確であり、ブロックチェーンに追加できることを証明する役割を果たす。
今後のステーキングの増加の大部分は、リド・ファイナンス(Lido Finance)のようなリキッドステーキングプロトコルに移行すると思われるとJPモルガンは述べている。これらのプロトコルは「ステーキングされたイーサリアム(ETH)と引き換えに同量のデリバティブトークンを提供することで、ステーキング契約に固定されてしまうステーキング資産の流動性を実現する」ものだ。
JPモルガンは、リキッドステーキングプロトコルのデリバティブトークンは通常、その原資産よりも低い価格で取引されてきたが、「シャンハイ」アップグレードが近づくにつれ、イーサリアム(ETH)と同等に収束しつつあると指摘している。
レポートでは、アップグレード日が近づくにつれ、こうした流動性のあるステーキングプロトコルの有用性が低下することも考えられると述べている。これに対する反論としては、これらのプロトコルの有用性は流動性を提供するだけでなく、32ETH(約5万2000ドル、約680万円)というステーキングの障壁に直面する個人投資家の仲介役としても機能することが挙げられるとしている。
その結果、リキッドステーキングプロトコルは分散型金融(DeFi)の主要なプレーヤーとなり、ネットワークの集中化に対する懸念が高まっているという。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:JPMorgan: Ethereum’s Shanghai Upgrade to Raise Staking Toward Proof-Of-Stake-Blockchain Average