テザーは時価総額10億ドル増、バイナンスUSDは18億ドル減

ライバルのバイナンスUSD(BUSD)から投資家が手を引いているなか、テザー(USDT)は時価総額が約10億ドル(約1300億ドル)増加した。

CoinGeckoによると、USDTの時価総額は2月13日以降、685億ドルから695億ドルに増加。トレーダーがUSDTの下落にかけた昨年6月の混乱時以来の高水準となっている。

一方、BUSDの時価総額は161億ドルから143億ドルに、11%の減少している。

パクソス(Paxos)がバイナンス(Binance)ブランドで発行しているBUSDは急速に流通量を減らし、USDTは流通量を増やしている。

ナンセン(Nansen)のデータを見ると、パクソスは13日以降、18億ドル以上のBUSDを焼却している。

(Nansen)

USDTが勝者に

パクソスが手がけるもう1つのステーブルコイン、時価総額第7位のパクソスドル(USDP)は規制当局の調査を回避しているが、それでも流通量の11%、約1億ドルが減少した。

ステーブルコインの需要が低迷した場合、発行者はドル連動を維持するために一部を焼却(バーン)して流通から取り除き、供給量を減らす。

サークルのUSDコイン(USDC)やMakerDAOのダイ(DAI)など、他の代表的なステーブルコインはあまり影響を受けておらず、投資家はBUSDからUSDTにシフトしたか、法定通貨や他の暗号資産に換えたことが伺える。

カイコのアナリスト、コナー・ライダー(Conor Ryder)氏は今週初め、USDTはステーブルコイン市場再編成の「明確な勝者」になるだろうと語っている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
|原文:Tether’s USDT Gains $1B as Paxos Burns Over $1.8B of Binance USD Stablecoins