ノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏は、ビットコインの回復力は、より広い市場のボラティリティが低下し、流動性にプラスの影響を与えることに起因すると述べている──今週のニュースをダイジェストで振り返ります。
古臭いデザインに込められた意味──単4乾電池で動く、キーボード搭載ハードウェアウォレット
カナダの暗号資産(仮想通貨)ハードウェアメーカーのCoinkiteは、2000年代に人気を集めた携帯電話「ブラックベリー(BlackBerry)」を思わせるビットコイン・ハードウェアウォレットを開発した。
SEC、バイナンスUSDの件でパクソスを提訴の意向:WSJ
SEC(米証券取引委員会)は、ステーブルコインのバイナンスUSD(BUSD)の件で、発行を手がけるパクソス(Paxos)を提訴する意向だ。ウォール・ストリート・ジャーナルが2月12日に伝えた。パクソスは、自社ブランドのステーブルコインとしてパックスドル(Pax Dollar:USDP)も発行している。
暗号資産とナスダックの相関関係が11月以来の高水準に──米CPIに注目
暗号資産(仮想通貨)市場とテクノロジー企業が多いナスダック総合指数との相関関係はプラスに転じており、暗号資産投資家がウォール街のリスク選好に再び注目していることを示している。
TradingViewのデータによると、暗号資産市場の時価総額とナスダック指数の90日間の相関係数は、4週間で-0.12から0.74に上昇し、11月初旬以来最高を記録した。
規制の反動でDeFiとオフショア取引が増加する:レポート
アメリカ証券取引委員会(SEC)が暗号資産取引所クラーケン(Kraken)の提供するステーキングサービスが無登録の証券にあたるとして告発したことで、より多角的な規制の懸念が生じたため、暗号通貨(仮想通貨)市場は下落したと投資会社のバーンスタイン(Bernstein)は2月13日の調査レポートで述べている。
ステーブルコイン発行の減少は暗号資産取引にとってマイナス:モルガン・スタンレー
ステーブルコインは暗号資産(仮想通貨)取引において重要な役割を果たし、それは潜在的に既存の銀行システムと競合すると、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は2月13日の調査レポートで述べている。
ステーブルコインの時価総額の下落は、仮想通貨の流動性とレバレッジの低下を示すものであり、暗号資産市場の量的引き締めに相当するとレポートは述べている。
グレイスケール・ビットコイン・トラスト、ディスカウント率が再び過去最高水準に
世界最大の上場ビットコインファンドであるグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)のディスカウントが再び、過去最高水準に近づいている。TradeBlockのデータによると、GBTCのディスカウント率は2月13日、昨年12月29日以来の水準に達した。
8億円強のスーパーボウルCM後、価格が上昇したNFTとは
日曜夜のNFLスーパーボウルでは昨年とは一変して、暗号資産(仮想通貨)のTVCMは流れなかった。だが、あるNFTコレクションは高価なCM枠を購入してCMを放映。流通市場で価格が高騰した。
Web3ゲーム会社Limit BreakのNFTプロジェクト「DigiDagaku」は、ゲーム中に「Dragon Eggs」コレクションの無料発行をアピールするCMを放映した。QRコードをスキャンすることで、視聴者はNFTを無料で発行できた。
バイナンス、純流出が増加──BUSDへの懸念広がる
バイナンス(Binance)はデータ企業ナンセン(Nansen)によると、過去24時間に約8億3100万ドル(約1080億円、1ドル=130円換算)の純流出に直面している。投資家は、パクソス(Paxos)が発行を手がけるステーブルコイン「バイナンスUSD(BUSD)」に対する規制当局の取り締まりを懸念しているようだ。
告発したのはライバルのサークル、バイナンスUSDの準備金問題:ブルームバーグ
ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)はステーブルコインの発行を手がけるパクソス(Paxos)を調査している。報道によると当局に告発したのはライバルのサークル(Circle)とのことだ。
ブルームバーグによると、サークルは2022年秋、NYDFSに対して、ブロックチェーンデータからバイナンス(Binance)がパクソスを通じて発行しているステーブルコイン「バイナンスUSD(BUSD)」は裏付けとなる十分な準備金が保有されていないことが明らかになったと訴えたという。ブルームバーグが2月13日、関係者の発言を引用して伝えた。
アバランチ・ブロックチェーン、2022年は取引数が前年比1500%増
暗号資産(仮想通貨)業界全体で中央集権的なプレーヤーのいくつかが崩壊し、テクニカルな面でも弱気市場に入ったにもかかわらず、アバランチ(Avalanche)・ブロックチェーンでの取引は2022年に前年比で1500%も増加した。
アバランチの第4四半期決算報告書では、データ分析会社のナンセン(Nansen)は、NFTの取引量と全体の取引数の両方が顕著に増加し、このネットワークの強さが示されたとしている。
「シャンハイ」によるイーサリアムへの売り圧力は限定的:コインベース
暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)がSEC(米証券取引委員会)との和解の一環として、ステーキングサービスの提供を停止したことは、イーサリアムブロックチェーンの次の大規模アップグレード(フォーク)「シャンハイ」を前に、イーサリアム(ETH)の供給力学の不確実性を高めることになったと、コインベース(Coinbase)は2月14日のリサーチレポートに記した。
米CPI発表後にビットコインが上昇した理由──米国債利回り上昇にもかかわらず
アメリカの消費者物価指数(CPI)が連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な政策への懸念を再燃させて米国債利回りを上昇させたにもかかわらず、ビットコイン(BTC)やハイテク株の多いナスダック総合指数などのリスク資産は予想外にプラスのパフォーマンスを記録した。
債券の利回り上昇は借入コストを高くするので、2022年に見られたように、トレーダーはリスク資産を捨てて確定利付証券を選ぶのが普通だ。しかし、10年物米国債利回りが0.12%以上急上昇し、1カ月以上ぶりの高水準となった2月14日は、ビットコインが約2%上昇して2万2000ドルを超え、ナスダックも0.7%上昇した。
バイナンスCEO、バイナンスUSDと距離を置く──「我々が作ったものではない」
暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)のチャンポン・ジャオCEOは、米規制当局の措置によって新規発行が停止されたステーブルコインのバイナンスUSD(BUSD)について、必ずしも密接に関わっているわけではないと述べ、距離を取った。
「BUSDはバイナンスが発行しているわけではない。我々は、パクソスが我々のブランドを使用する契約を結んでいる。だが(BUSDは)我々が作ったものではない」とジャオ氏は14日、Twitter Spacesで語った。
パクソス、7億ドルのバイナンスUSDを焼却
ステーブルコインのバイナンスUSD(BUSD)の発行を手がけるパクソス(Paxos)は2月13日以降、当記事執筆時点までに7億ドル(910億円、1ドル=130円換算)以上のバイナンスUSDをバーン(焼却)している。
ブロックチェーンデータ企業ナンセン(Nansen)のデータによると、パクソスは13日朝から27時間で、7億300万ドル相当のバイナンスUSDをバーンアドレスに送信し、流通から排除している。
NFT取引高、15日はBlurがOpenSeaを超える:データ
NFTマーケットプレイス「Blur」は2月15日、データ分析プラットフォームのNansenによると、1日あたりの取引高が初めて「OpenSea」を超えた。前日、Blurがネイティブトークンをリリースしたことを受けたもので、2つのマーケットプレイス間の競争は新たなレベルを迎えている。
Blurの取引高は15日、6602ETH、一方、OpenSeaの取引高は5649ETH。
Startale Labs、日本子会社を設立
Astar Networkの渡辺創太氏がCEOを務めるWeb3事業コンサルタント会社Startale Labsは2月15日、日本子会社のStartale Labs Japanを設立したと発表した。
Startale Labs Japanはシンガポールに拠点を置くStartale Labsの100%子会社で、日本発パブリックブロックチェーンであるAstar Networkの開発・運営経験をもとに、Web3事業に取り組む日本企業に向けたR&Dやコンサルティングの提供を行う。
コインチェック、「フィナンシェトークン(FNCT)」のIEOを2月21日に実施
コインチェックは2月15日、フィナンシェトークン(FNCT)のIEO実施を発表した。2月21日よりCoincheck IEOでFNCTの購入申し込みが開始される。
FNCTはトークン発行型クラウウドファンディングサービス「FiNANCiE」のプラットフォームトークン。ユーザーへの報酬や、優良なコミュニティが継続的に成長するためのインセンティブとしての使用などを予定している。
国際的なDeFi規制、7月に枠組みを発表へ:金融安定理事会
金融安定理事会(FSB)は、他の国際的な基準設定主体とともに分散型金融(DeFi)をどのように規制すべきかを決定すると、2月16日に発表された報告書で述べている。
FSBは暗号資産セクターに対する政策提言案を、DeFi特有のリスクに対処するためにどの程度まで強化する必要があるかを検討する予定だと報告書は述べている。
2023年の暗号資産投資、規制が強固な国や地域へシフトする可能性:KPMG
世界4大会計事務所の1つ、KPMGの「Pulse of Fintech」2022年下半期レポートによると、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンは世界的に減速したにもかかわらず、シンガポールではフィンテック投資でトップの分野だった。
2022年の暗号資産分野の混迷の影響で、投資家が暗号資産ではないソリューションにシフトしているという重要なトレンドが明らかになったにもかかわらずだ。
テザーは時価総額10億ドル増、バイナンスUSDは18億ドル減
ライバルのバイナンスUSD(BUSD)から投資家が手を引いているなか、テザー(USDT)は時価総額が約10億ドル(約1300億ドル)増加した。
パクソス(Paxos)がバイナンス(Binance)ブランドで発行しているBUSDは急速に流通量を減らし、USDTは流通量を増やしている。
ソフトバンク、Oasysにバリデータとして参加
ゲーム特化型ブロックチェーンのOasysは2月16日、ソフトバンクがバリデータとして参加すると発表した。
Oasysは「Blockchain for Games」をコンセプトとするゲームに特化したブロックチェーンプロジェクト。初期バリデータ(チェーン運用主体)は、バンダイナムコ研究所、セガ、スクウェア・エニックスなどの大手ゲーム会社やWeb3企業など計21社で構成されており、第二群バリデータとして追加で4社の参画が決定、ソフトバンクはそのうちの1社となる。
ソニーネットワークコミュニケーションズ、Startale Labsと共同でWeb3インキュベーションプロジェクトを開始
ソニーネットワークコミュニケーションズは2月17日、Astar Networkの渡辺創太氏が率いるWeb3事業コンサルタント会社Startale Labsと共同で、Web3スタートアップを支援する「Web3 Incubation Program Powered by Sony Network Communications and Astar」を3月中旬から6月中旬まで開催すると発表した。同日よりインキュベーション参加企業の募集を開始する。
日銀、4月から中央銀行デジタル通貨のパイロット実験
日本銀行は2月17日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する実証実験を実施すると発表した。
日本銀行は、2020年10月に公表した「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」に沿って、2021年4月から、CBDCの実証実験を進めている。このうち「概念実証(PoC)」は今年3月に終了、次いで4月から「パイロット実験」を実施するという。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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※編集部より:本文を一部修正し、更新しました。