アメリカ規制当局は対応をさらに強化する可能性。シグネチャーとバイナンスの動向に注目:モルガン・スタンレー

アメリカの規制当局は、暗号資産(仮想通貨)企業にサービスを提供する銀行に対する行動を強化しようとしている可能性があると、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は3月8日の調査レポートで述べている。

暗号資産に特化した銀行であるシルバーゲート(Silvergate)が業界の動向と規制の発展を理由に清算を決定したことで、アメリカで法定通貨を暗号資産に変換するためのゲートが閉ざされ、その他の手段も規制措置によって閉鎖されるかもしれないとモルガン・スタンレーは述べている。

モルガン・スタンレーはさらに、アメリカの銀行が暗号資産サービスを提供することのリスクを強調するために、規制当局が連携したことを指摘した。連邦準備制度理事会(FRB)、連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督庁(OCC)は最近、暗号資産に関連する流動性リスクを考慮するように銀行に警告する声明を発表している。

アナリストのシーナ・シャー(Sheena Shah)氏とキンジ・スタインメッツ(Kinji Steimetz)氏は、「フィアット通貨と暗号資産の間を取り持つ能力がなくなれば、暗号資産セクターへのフローは減速する」と書いている。

アナリストは、シルバーゲートは「暗号資産取引所に暗号資産サービスを提供する登録銀行として、暗号資産業界の成長の中心にいた」と述べ、同社が3月2日に、継続企業として継続できるかどうかを評価しており、規制当局、議会の問い合わせ、司法省から調査を受けていると述べたことから、同社株が58%下落したと指摘した。

暗号資産市場にとって重要な点は、今後、ライバルの暗号資産銀行シグネチャー・バンク(Signature Bank)、最大の暗号資産取引所バイナンス(Binance)の動向、そして特定の企業や製品に関連するさらなる規制措置になるだろうと、レポートは述べている。

ビットコイン(BTC)は、重要な2万2200ドルのサポートレベルを下回ったと、同レポートは付け加えている。記事執筆時点では、世界最大の仮想通貨は2万1650ドル前後で取引されていた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Digital Asset Inflows Will Slow Without On-Ramps Between Fiat and Crypto: Morgan Stanley