ニューヨーク州司法長官がクーコインを提訴、訴状でイーサリアムは証券と主張

米ニューヨーク州司法長官(NYAG)のレティシア・ジェームズ(Letitia James)氏は3月9日、暗号資産(仮想通貨)取引所クーコイン(Kucoin)を証券法違反で提訴。未登録で証券の定義を満たすトークン(イーサリアムを含む)を提供していると述べた。

規制当局が法定で、イーサリアムは証券にあたると主張したのは初めて。米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長は、SECがイーサリアムを証券とみなす可能性を示しているものの、米商品先物取引委員会(CFTC)は長年、ビットコイン(BTC)もイーサリアムもコモディティ資産と主張している。

ジェームズ司法長官は、イーサリアムがマーティン法(102年の歴史を持つニューヨーク州の詐欺防止法)の下で証券とみなされるのは、イーサリアムの価値が共同創設者ヴィタリック・ブテリンをはじめとする他者の取り組みに依存しているからだと主張。さらにクーコインで取引されているルナ(LUNA)、テラUSD(UST)も証券にあたるとしている。

イーサリアム価格は、訴訟が伝えられた後、8%下落。暗号資産市場も同様に下落した。

「裁判所に対する申し立ては、ETHがLUNAやUSTと同様に、ETH保有者に利益を提供するために第三者の開発者の取り組みに依存する投機資産であると主張している。そのため、クーコインはETH、LUNA、USTを販売する前に登録が求められた」(NYAGオフィスのリリース)

当記事執筆時点、クーコインはNYAGオフィスの召喚状に回答していない。

ステーキング商品も

ジェームズ司法長官はまた、クーコインが同社のレンディング&ステーキング商品「KuCoin Earn」を通して、未登録の証券を販売していると主張している。

クーコインに対する規制当局からの訴えは、NYAGオフィスが初めてではない。2022年、韓国の規制当局はクーコインは適切な登録を行わずに「違法な事業活動」を行っていると述べた。オランダ中央銀行も12月に同取引所は無許可で運営されていると警告した。

今回の訴訟でジェームズ司法長官は、クーコインの同州での営業を停止する裁判所命令を求めている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:New York Attorney General Alleges Ether Is a Security in KuCoin Lawsuit