欧州議会議員で元ベルギー財務大臣のヨハン・ヴァン・オーバーヴェルト(Johan Van Overtveldt)氏は、3月17日のツイートで、銀行セクターの混乱を受けて、暗号資産(仮想通貨)の禁止を呼びかけた。
EUの64人の議員で構成されるグループの経済スポークスマンを務める同氏は、欧州議会がEU圏の画期的な暗号資産ライセンス制度の投票を控えている中で、このコメントを発表した。
「今回の金融騒動から学ぶべきもう一つの教訓。暗号資産を厳しく禁止する」と彼は述べた。ヴァン・オーバーヴェルト氏は、仮想通貨は単なる投機であり、「経済的、社会的価値はない」とツイートした。
「政府が麻薬を禁止するなら、暗号も禁止すべきだ」と彼は付け加えた。暗号資産に親和的なシルバーゲート銀行(Silvergate Bank)とシリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)の破綻の影響はヨーロッパ市場に広がり、クレディ・スイス(Credit Suisse)の株価が過去最低になり、スイス国立銀行から530億ドル(約7兆301億円)を借りなければならなくなった。
ヴァン・オーバーヴェルト氏は欧州議会内の右派、「欧州保守改革グループ(ECR)」の議員で、経済・通貨問題委員会に所属している。2014年から2018年まではベルギーの財務大臣を務めていた。ECRは「個人の自由…私有財産…小さな政府」を標榜している。
欧州議会の705人の議員は、早ければ4月に暗号資産市場の規制に関する投票を行う予定だ。この規制は、ガバナンスと消費者保護の規範に従う場合に、ウォレット プロバイダーと取引所に規制による枠組みを提供する。
ヴァン・オーバーヴェルト氏はこれまで、分散型台帳技術に基づく証券の取引を可能にする新法に関する議会の作業を主導し、暗号を支える技術には生産性を向上させる「大きな可能性」があると述べていた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Johan Van Overtveldt(ShutterStock)
|原文:Former Belgian Finance Minister Calls for Crypto Ban in Wake of Banking Crisis