暗号資産市場、米銀行業界の混乱で中長期的な見通しが上向きに:コインベース

コインベース(Coinbase)は3月17日のレポートで、アメリカの銀行業界における最近の混乱を受けて、暗号資産(仮想通貨)市場の中長期的な見通しが「上向きに強化された」と述べた。

「暗号資産は、技術的な理由もあり、ある程度の回復力を示した」が、より多くの人々が「伝統的な金融システムに内在する障害点に対する代替手段を持つという基本的な価値提案を評価するようになった」と、機関投資家向けリサーチの責任者であるデビッド・ドゥオン(David Duong)氏は述べている。

連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ政策は、国債の価格下落を招き、銀行のポートフォリオの価値を低下させた。それに続くシルバーゲート銀行(Silvergate Bank)、シリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)、シグネチャー銀行(Signature Bank)の破綻は、金融市場にパニックを引き起こし、世界市場で銀行株を暴落させた。

オープンなブロックチェーンと透明性の高いスマートコントラクトを支える技術は「今週、アメリカの銀行セクターで目撃された混乱を招いたリスク管理の不備とは対照的」だと報告書は述べている。

このことは、暗号資産を代替手段として、また「既存の金融システムで目撃された失敗のポイント」に対する実行可能な解決策として支持する論拠となると報告書は付け加えた。

ただし、短期的には一部の法定通貨の決済レールが失われるため、暗号資産ビジネスの運営環境はより困難になる可能性があるとしている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ShutterStock
|原文:Cryptocurrency Outlook Is Strengthened by U.S. Banking Turmoil: Coinbase