リクルートホールディングスは8月22日、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)を通じ、ブロックチェーン技術を活用した分散コンピューティングネットワークを提供するブロックスタック(Blockstack)に出資したと発表した。
出資したのはリクルートの投資子会社であるRSP Blockchain Tech Fund Pte. Ltd.。額は明らかにしていない。
ユーザーが自身のデータを所有・制御できる仕組みを提供
ブロックスタックは2013年6月にアメリカで設立されたスタートアップ。同社はこれまでに、米大手ベンチャーキャピタルのユニオン・スクエア・ベンチャーズやデジタル・カレンシー・グループなどから累計5600万ドル(約60億円:現在のレート)を調達してきた。
リクルートは2011年頃から人工知能(AI)、ブロックチェーン、IoT(モノのインターネット)&ロボティクスなどに投資領域の重点をおきながら、国内外のスタートアップへの投資を本格化させてきた。
今回出資したブロックスタックは、既存のクライアントサーバーシステムやクラウドコンピューティングに代わり、データが漏えいする可能性を減らしてユーザーデータを保護する安全なアプリケーションの開発基盤を提供するという。
発表資料によると、ブロックスタックは個人情報などの機密性の高い情報を安全に保管できる専用のストレージや公開鍵暗号方式による認証システムを提供する。ユーザーが自身のデータを直接所有し、制御できる仕組みを整えている。
過去にはブロックファイへの出資も
リクルートのCVCは2018年12月、仮想通貨を担保に法定通貨を貸し出すサービスを展開する米ブロックファイ(BlockFi)への出資を発表している。また2019年6月にはライトニングネットワーク対応のウォレットを開発するイスラエルのブリーズへの出資も発表している。
文:小西雄志
編集:CoinDesk Japan
写真:Shutterstock