プンディXの仮想通貨対応レジ、ベネズエラのデパート49店舗に導入へ

ベネズエラ最大のデパート、トラーキ(Traki)は、ブロックチェーン対応のレジを49店舗に導入する。

トラーキは2019年8月22日(現地時間)、シンガポールに拠点を置くブロックチェーンデバイス製造スタートアップ、プンディX(Pundi X)のPOS(販売時点情報管理)端末「XPOS」を導入し、買い物客に仮想通貨での支払いを提供していくと発表した。

プンディのXPOSはすでに30カ国で利用可能で、同社は2021年までに10万台販売することを目標としている。これは、同社の仮想通貨デビットカード「XPASS」や、仮想通貨ウォレット「Xウォレット(Xwallet)」などの製品のエコシステムを通じて、仮想通貨を日常利用に組み込んでいくという同社の計画の一環である。

「私たちは、ブロックチェーン技術の実用的な用途を生み出すというミッションを持ってXPOSを作り上げました。トラーキのお客様が日々の生活に必要なものを仮想通貨で支払うということは、このミッションの実現をこの上なく象徴してくれます」とプンディXのCEO、ザック・チーア(Zac Cheah)氏は述べた。

トラーキはベネズエラでブロックチェーン技術を早期から受け入れてきた、とチーア氏は続けた。

「トラーキは、お客様に最も便利な決済方法を提供することを目指しており、仮想通貨は効果的な決済ソリューションであることが証明されています」と、トラーキの暗号資産担当責任者のマイケル・ゴメス(Michael Gomez)氏は述べた。約30万人に及ぶプンディのウォレットユーザーのうち、約10分の1がベネズエラに在住している。

XPOSの決済システムは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、バイナンスのステーブルコインBNB、そしてプンディX独自のトークンNPXSとNPXSXEMを含む、様々な仮想通貨に対応している。

ハイパーインフレと流動性不足により、多くのベネズエラ人が仮想通貨を価値の保存と決済の手段として採用した。2018年、ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Marduro)大統領は、経済制裁をかわすために、同国の埋蔵石油に裏付けされた仮想通貨「ペトロ(Petro)」をローンチした。マドゥロ大統領は最近、銀行や国営企業にペトロを使用するよう命じた

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Bitcoin, map photo via Shutterstock
原文:PundiX’s Crypto Cash Registers Will Be Installed in 49 Retail Stores Across Venezuela