ウクライナ、原子力発電所で仮想通貨マイニング機器を押収──国家機密指定の施設でなぜ?

ウクライナの司法当局と防諜機関は、同国内の原子力発電所で何者かによって設置された仮想通貨マイニング用の機器を発見した。

現地の報道によると、ウクライナ保安庁(SBU)は2019年7月10日(現地時間)、南ウクライナ原子力発電所において「Radeon RX 470 GPU」搭載のビデオカード6枚、マザーボード、電源装置、延長コード、USBおよびハードドライブ、冷却ユニットを押収した。

機器は全て管理部門内の一屋(104号室)に設置され、国営のエネルゴアトム(Energoatom enterprise)が管轄する発電施設とは別の場所にあった。

この発電所は国家機密に指定されており、外部から敷地内へのコンピュータ機器などの持ち込みは禁止されていた。

また、同発電所では同日、ウクライナ国家警備隊・支部が他の仮想通貨のマイニング用機器を発見。一連の捜査で、GPUビデオカード16枚、ハードドライブ7台、半導体メモリーをディスクドライブのように扱える記憶装置のソリッドステートドライブ(SSD)2台、ルーターなどが押収された。

仮想通貨マイニングのコミュニティーではGPUの人気が落ち、現在ではより特化した機器が導入され始めている。

マイニングされていた仮想通貨の種類は明らかになっていない。ウクライナ保安庁からのコメントは得られなかったという。

翻訳:石田麻衣子
編集:佐藤茂
写真:Shutterstock
原文: Authorities Seize Crypto Mining Equipment from Nuclear Power Plant